【読書】 縦の美学 ~湘南ベルマーレが追求するサッカーのスタイルと育成論~

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前回の読書に続いて、

湘南ベルマーレの本を読むことにした

 

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今回はベルマーレのオンラインショップで売っている本にした

縦の美学 ~湘南ベルマーレが追求するサッカーのスタイルと育成論

 

 

以前トートバッグが欲しいなと思って、

オンラインショップを探していたら、この本に出会った

 

 

100ページにも満たない本で、

前回の本の参考文献なので同じ言葉もあったが、

非常に勉強になった

 

 

【読書】 低予算でもなぜ強い? ~湘南ベルマーレと日本サッカーの現在地~

 

 

近年のベルマーレの試合を観ていると、

確かに縦の速さを感じている

 

 

どういった経緯で?どういう秘密があるのか?気になっていた

 

 

プロローグのあいさつは、大倉さんの言葉で、

前回読んだ本と同じ内容だった

 

 

勝利が約束されていない戦いのなかで、足を運んでくださったお客様には、少なくとも「面白かったね」「痛快だったね」といった感慨を手土産に岐路についてもらわなければならない

 

 

これはピッチ内にフォーカスした考えを語っている

 

 

ピッチでの90分のみを観て、

ベルマーレのサッカーを感じて帰って欲しいという思いだろう

 

 

ベルマーレは、ピッチ外でも色々なワナを仕掛けているが、

そちらへの記述は少なかった

 

 

すべてはベルマーレに仕組まれたワナだった

 

 

前回に読んだ本は、

クラブとしての基本理念やオーガナイズが書かれていて、

ピッチの上で何が起きているか?は、

やや脇に置いていた感があった

 

 

そこを補完するのが、今回の本だった

 

 

順を追って読んでいたが、最後に刺さる言葉に出会った

 

 

眞壁さんの言葉で、

誰もが知っている有名な選手はいません。いるわけがありません。彼らはこれから有名になるのですから。

と紹介している

 

 

育成に力を入れているクラブの言葉として、

これほどパワーになる言葉のないのではないか?

 

 

日本の選手の海外進出が進み、

Jリーグに有名な選手がいなくなった面もあるが、

有名な選手を、手元に置いているクラブは少ない

 

 

つまり大多数は、有名でない選手でやりくりしている

 

 

その選手たちを、どう輝かせるか?というクラブの課題がある

 

 

それに対して、

「自分たちが育てて大きくしてやる」と明言したに近い表現だと思う

 

 

その考えに至るきっかけになった言葉、

子どもたちは教え方次第で伸びる。だから遠くまで探しに行く必要はない。

というオサスナスタッフの言葉も大切にしたい

 

 

今後Jリーグクラブが、

セールスポイントにしなければならないのが、

おらが街のクラブ・選手だと認知してもらうことだと考えている

 

 

その意味では、

アカデミー出身の選手、生え抜きの選手は貴重だ

 

 

そのための考え方として、

『自分たちの町で』、いい選手を育てるのは

大切な考え方だと思う

 

 

最近、ベルマーレに興味を持っている身としては、

「ベルマーレ経由、世界行き」というチケットが、

もっと売れて、いい選手が出てきてくれると楽しみが増える

 

 

この本を大きく眺めると、

反町さんの監督就任から話が始まる

 

 

あえて厳しいエリアに入れろ。厳しいエリア、縦に入れなければ、いまのサッカーは崩れない

として、縦へのチャレンジを促している

 

 

監督就任から縦への意識づけをしていて、

縦に早く入れることを重視していたらしい

 

 

この『早く』というところが鍵になっている

 

 

一昔前のガンバやフロンターレのポゼッションサッカーを観ていると

常に縦に入れる選択肢を考えているが、

いつ入れるか?を追究していると観ている

 

 

常にバイタルを意識しながら、

出し手と受け手がフリーになれる瞬間を探している

 

 

タイミングが合わなければ、

横パス、バックパスで、やり直す感覚だと観ている

 

 

それに対して、ベルマーレは早く縦に入れて、

受け手をフォロー、追い越すことにフォーカスしている

 

 

局面でつねに数的優位をつくる

縦に二対一をつくれ

という言葉で、運動量を増やして、

数的優位をつくる取り組みを紹介している

 

 

その根本にあるのが、

個の力で勝負を決定づけられるようなタレントに恵まれているわけでなく、すなわち誰かひとりに頼るチームではない

という小さいクラブでは当たり前の事実である

 

 

J1では試合を決められる選手がいるが、

J2になるとなかなかお目にかかることはない

 

 

その中でどうやりくりするか?

各クラブが思案しているところだろう

 

 

個の力が出せないクラブが、

ゴールを奪うには人をかけないといけないと思っている

 

 

しかし多くのクラブがボールを奪われた後のリスクを恐れて、

人をかけることをしないように映る

 

 

そのリスクへの答えも明確だった。

 

 

パスの出し手と受け手が縦の関係なら、前で取られたとしても両者が取りに行ける

 

 

攻守の切り替えを早くすることで、

そのリスクを回避できるとしていて、

とても勉強になった

 

 

この攻守の切り替えという言葉は、

往々にして攻撃から守備への切り替えと同義で使われる

 

 

しかしベルマーレを観ていると、

守備から攻撃の切り替えの速さに驚く

 

 

そのことに気付いたのは、曺さんになってからだった

 

 

しかし反町さんの時代から、

奪ったあとのファーストパスを前につけろ

という言葉で、磨いてきたサッカーらしい

 

 

ボールを奪った後に、

前に出られる選手がポジションに関係なく出られるのは、

間違いなくベルマーレの武器になっている

 

 

その根底には、

長年磨いてきた、守備から攻撃の切り替えの速さがあった

 

 

縦に早く入れることをフォーカスして、

反町さんの章は終わった

 

 

この章を読むと、今の松本山雅が思い浮かぶ

 

 

J2のカテゴリーでも、巨大戦力とは言えない中で、

ボールを奪った後の縦への速さを存分に見せていた

 

 

今のベルマーレとの大きな違いは、

ファーストパスのレンジだろうか?

 

 

ベルマーレの方が、近い選手に付けているように感じる

 

 

その次の章では、曺さんが就任からを紹介している

 

 

反町さんから引き継いだ「縦」というキーワードを基にして、

サッカーの考え方が面白い

 

 

勝負に絶対はありません。だから大事なのはどれだけ勝つ確率を上げられるかが大事。そう考えたときに、ボールを敵陣に置いておけば失点する可能性は間違いなく減ります。逆に敵陣でボールを奪ったほうが、ゴールに近いわけだから、得点の可能性は増す。

 

 

当たり前の考え方なのだが、

それを実践できているクラブは非常に少ない

 

 

敵陣にボールを置いて、コンパクトなブロックを作ると、

どうしても最終ラインの裏のリスクがある

 

 

ベルマーレはそれを許容した上で、

裏に蹴られても、負けない走力を求めていると理解している

 

 

リスクにチャレンジし、90分間ハイスピードなサッカーを展開する。そうして“湘南スタイル”をつくっていきたい。

という記述もあるので、

裏へのリスクは、走力で解決することを考えている

 

 

この章では、ベルマーレの代名詞でもある、

3-4-2-1についても語られている

 

 

その中で、

すべてのポジションにスピードや運動量が求められるが、とくにポイントとなるのが2シャドーと3バックの左右だ

としている

 

 

ベルマーレの試合を観ていると個人的には、

2シャドーとWBに負担がかかっているように観える

 

 

WBは守備では最終ラインに入って、5バックを形成し、

攻撃では前線に出て、サイド攻撃の核になる

 

 

しかも2シャドーを追い越すことを考えると、

かなりのスプリントが必要になる

 

 

運動量を表す言葉で、『ボックスtoボックス』というワードがあるが、

それ以上のものを求められていると理解している

 

 

そこへの言及がないのは、意外だった

 

 

その理由として、

ベルマーレは敵陣でボールを奪うことを求めているので、

WBが最終ラインまで帰る必要がないからかもしれない

 

 

ボランチのラインまで下がって、

ボールを奪う動きをすることが多いので、

WBの重要性がやや低いのかもしれない

 

 

同じ1-3-4-2-1を採用するクラブのWBは、

前線まで飛び出す機会が少なく、5バックになることが多い

 

 

それとは一線を画した意味で、

“湘南スタイル”が見られると思っている

 

 

このサイトでは、点が入る、入らないと所を、

『最後の頑張り』や『最後の無理』という言葉を使っているが、

それに似た表現を見つけた。

 

 

つまり四のエリア(相手ゴール前)でさらにワンアクション起こさなければ、相手に対応されてなかなか決定機を見出すことができないのである

 

 

この『ワンアクション』が、『最後の頑張り』と同義だと思っているので、

自分の考えも、あながち間違っていないようだ
最後にアカデミーの考え方について紹介されている

 

 

どういうプレーを重視して、指導しているか?が書かれている

 

 

ピッチの中での重要なエッセンスが書かれているが、

ピッチ外のことも重視しているのが分かる

 

 

最近、評価を上げている遠藤航の言葉で、

サッカーをやる以前に大事にしなければならないこと、たとえば生活態度や身だしなみなど、ベルマーレはピッチ外においても厳しいチームでした

と書かれている

 

 

サッカーに対する取り組み方が問われる時代だが、

それを先取りする形で、選手の育成をしてきたことが、

現在のベルマーレの立ち位置に繋がっているのだと感じた

 

 

 

yas-miki

 

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サッカーショップ加茂

 

ジェフ千葉、FC東京を中心に、Jリーグを観戦してます。 これでもガンバ大阪のファンです。 ピッチを俯瞰で観られる席を好み、 「戦術」と「個の力」を同時に観ることが目標です。 最近はピッチ外のことにも興味を持ち、 『勝手にスタジアムツアー』と題して、歩き回ってます。 「一生をかけて、Jリーグのスタジアムを制覇したいな」 という壮大な夢もあります (たぶん無理…) サッカー好きな方、SNSで遊びましょ!!(特にgoogle+です)
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