ジェフユナイテッド市原千葉

崖から落ちた後だからこその期待感 ~2018年11月4日 J2 第40節 徳島ヴォルティス@ジェフ千葉~

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シーズンシートを持っている以上、特別な用事がない限り『行かない』という選択がないフクアリです。

(「アビスパ福岡@町田ゼルビアは、特別な用事じゃない?」とも思いましたが…)

とは言っても、両チームにモチベーションが低い試合なので、到着はキックオフ数分前でした。

指定席だと直前に着いても、席があるのはありがたいです。

 

 

フクアリゴール裏事情が分かりませんが、横断幕が戻っていて嬉しかったです。

デーゲームでも流石に日曜なので、ヴォルティスゴール裏はJ2仕様ですね。

 

 

もう20年近く前の話ですが、ユアテックスタジアム(当時の仙台スタジアム)で大塚製薬@ブランメル仙台を観たのを思い出しました。

前半はバックスタンドから、後半は大塚製薬のゴール裏から観戦しました。

熱いサポーターが集まるのは、当時から変わらない素晴らしい点だと思います。

 

ヴォルティスは今シーズン初観戦のはずで、リカルド・ロドリゲス監督のポゼッションサッカーがどんな進化をしているのか?

ジェフは何か変えてくるのか?

この2点が個人的な興味でした。

 

結果から先に書くと、ヴォルティスのメカニズムを理解し切れないまま90分が終わってしまった感がありました。

 

 

基本のフォーメーション

ジェフは1-4-1-4-1(1-4-3-3?)でスタートしました。

ヴォルティスは何かよく分からないまま時間が過ぎました。

ダイヤモンドの1-4-4-2のような…1-4-3-2-1のような…可変のような…固定のような…

監督コメントを読むと、ダイヤモンドの1-4-4-2とのことです。

 

赤をジェフ、青をヴォルティスとして、両チームの並びを重ねます。

 

 

赤のジェフから見ると、両サイドバックが余って+2、中盤の中央が3対4なので-1、トップの所で1対2なので-1です。

簡単に並びだけ見ると、ヴォルティスのサイドハーフがどう動くか?で数的優位・不利が決まるように思います。

ダイヤモンドの1-4-4-2はあまり見なくなった形ですが、フィッカデンティ監督のFC東京を観ていた身としては懐かしく映ります。

相手(今日の場合はジェフ)のサイドバックを誰が見るのか?が、ヴォルティスの見どころでした。

 

後半のスタートからジェフが1-4-2-3-1に変更しました。

同じく赤をジェフ、青をヴォルティスとして、両チームの並びを重ねます。

 

 

基本的な構造は変わりませんが、バイタルエリアにボランチを増やしてケアしたい、ヴォルティスのボランチを見る人を決めたい意図だと思います。

 

 

ヴォルティスボールの時に狙っていたこと

ヴォルティスはバイタルエリアに人を集めて選択肢(パスコース)を増やすことを狙っていました。

ヴォルティス情報がゼロなので、この日だけの感想です。

ヴォルティスボールになると、サイドハーフ2人とトップ下、2トップの5人が代わる代わるバイタルエリアに入っていました。

ジェフのボランチ、熊谷の横や前、後ろ…と、ジェフの選手の間に入って受けようとしていました。

バイタルエリアへのパスコースを増やして、空いたコースで受けて前を向く狙いでした。

フォワードがフォワード然としないので、メカニズムが掴みにくく苦労しました。

 

対するジェフは敢えて前から行かないで、陣形を整えてからプレスに行くことを始めました。

ちょっと前に整理したことですが、エスナイデル体制のジェフは「早くボールを奪い返す」ためのハイプレスすると、ハイラインになる設計図だと思っています。

「相手ボールになったら、すぐに行け」という考えが、良くも悪くも徹底されているように感じています。

ジェフにとっては、「ボールを奪いに行って外されること」と「サイドハーフ(ウイング)がボールを追って中央に入ること」のどちらかが起こると分が悪くなります。

ヴォルティス戦は後者のパターンをなくす意図を持って、サイドハーフはサイドに残り、インサイドハーフが前に出てボールを追えるまで待つことをしました。

監督コメントでは「もう一つのツール」という言葉を使っています。

 

良かった点はサイドを攻略されるケースが圧倒的に少なくなったことです。

前半のヴォルティスがサイドから攻撃を仕掛ける意図が薄いこともありましたが、安直にボールを追ってサイドから崩れることは無かったと記憶しています。

ヴォルティスの攻撃の狙いであるバイタルエリアの選択肢を増やすことに対して、ボランチとインサイドハーフの3人でスペースを埋めて、パスコースを限定できていました。

一度陣形をセットして、ヴォルティスの攻め手を限定して、狙いを持ってボールを奪いに行けたと思います。

 

悪かった点は、まずインサイドハーフがバイタルエリアのケアに回ってしまうことです。

時間を作るヴォルティスの選手はセンターバックとボランチの3人に対して、ジェフはトップの1人から始まります。

陣形がセットできれば、インサイドハーフが上がって1対3を、2対3、3対3と増やしていく狙いでした。

またヴォルティスのボランチを見るジェフの選手が、はっきりしなかった印象でした。

 

ヴォルティスの選手がパスコースを増やそうとする、でもジェフがそれを切る、ならば次のパスコースを作る、それを切るという次の一手の読み合いが楽しかったです。

崩される怖さはないですが、早くボールを奪い返せないので、エスナイデル体制のジェフらしくない45分でした。

 

後半からジェフが1-4-2-3-1に変更することで、打開を図りました。

トップ下を作ることで、ヴォルティスのボランチを見る人を決めました。

ヴォルティスがセンターバックの位置からにパスを出す分には、ダブルボランチで乗り切れるという算段でした。

またヴォルティスもサイドハーフがサイドに流れたり、サイドバックの位置を高くしたりして、サイドから攻略する狙いを増やしました。

 

どちらかと言うと、ジェフの意図がはっきり出ていたように感じました。

ウタカ、佐藤、押谷と前線で体を張れる選手を投入したこともあり、バイタルエリアの読み合い、潰し合いが減りました。

フィジカル負けが心配でしたが、ジェフのセンターバックを始め、チームとして頑張れた結果の失点ゼロでした。

ゴールキーパーの佐藤が前に出て、ドタバタするシーンもありましたが、「前に出る」という彼の良さだと思っています。

 

 

ジェフボールの時に狙っていたこと

ヴォルティスの狙いがイマイチ分からなかったですが、1-4-3-3のような陣形をセットして、ジェフのサイドバックが空くことを減らそうとしていたように観えました。

ジェフがサイドへボール展開すると、当然ヴォルティスのボランチもサイドへスライドします。

その裏(というか横)をカバーするのが、トップ下だったり、サイドハーフ絞ったりと複数のパターンがありました。

「状況に応じて」と言うのは簡単ですが、チームとして同じ絵を描くのは難しいです。

ヴォルティスの中盤の選手は上手くプレーしている印象でした。

 

ジェフはまず裏を見ることを始めました。

 

システムを構築する際に私が大事にしているのは、誰が「裏」を狙い、誰が「時間」を作り、誰が「幅」と取るかです。

(Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法より)

 

サンフレッチェ広島の城福さんの言葉で、個人的に分かりやすくて好きです。

これまでのジェフを観ていると、「時間」を作り、「幅」と取ることを重視するがあまり、「裏」を狙うことが少なく映っていました。

「裏」への意識が薄いので、対戦相手は比較的狙いを絞りやすいのかもしれません。

そこへの答えとして、トップとサイドハーフが「裏」を狙い、使ってあげることを始めました。

 

左のサイドハーフに入った町田の動きが素晴らしく、ヴォルティスの最終ラインの裏で受ける回数が多かったです。

最初は足下で受ける動きで誘って、味方がボール蹴る瞬間に裏へ飛び出す駆け引きをしていました。

機動力でも町田が上回っていたので、面白いように裏が取れました。

裏を取ってからのラストパス、シュートの精度に課題はあるかと思いますが、攻撃でも「もう一つのツール」を作り始めたように感じました。

 

攻撃だけをを考えるなら、前半の1-4-1-4-1の方が迫力が出せると思います。

前の4-1に機動力と足下の技術がある選手を揃えることで、選択肢の多いサッカーになります。

Jリーグ(ことJ2)だけを見れば、ダブルボランチの方が多いです。

インサイドハーフを置くことで、対戦相手のダブルボランチを困らせる回数が増えるのが、エスナイデル体制で狙っていることだと思っています。

当然ゴール前の強さは無くなりますが、個人的にはアリです。

 

試合の感想

両チームにモチベーションの薄い位置付けですが、次の一手を読む、二手先、三手先を想像する試合になり、非常に面白い90分でした。

フクアリに集まったサポーターにどう映ったか?気になりますが、勝ち点3を奪えたことも含めて良かったと思います。

ヴォルティスも泥沼の連敗中のようですが、方向は間違っていないと思います。

 

先日のルヴァンカップ決勝を観ていても、ポゼッションしているから勝てる訳ではありません。

支配率が高いと、「いつかはゴールになるでしょ」感が出てしまい、結局得点ゼロで終わることもあります。

フクアリで散々観た光景ですし、ポゼッションサッカーを志向すれば、よくあることです。

失点はむしろ、カウンターやセットプレー、セカンドボール、ミスといった、一見、事故のようにも見える形からほうがはるかに多く、いわゆる「崩された失点」というものは実は少ないというのが僕の実感です。

(PITCH LEVELより)

 

逆に守備側から見た言葉ですが、肝に銘じるべき言葉だと思います。

ただ「事故のようにも見える形」を誘発するのがポゼッションサッカーだとも思いますし、一つのやり方だと信じています。

美しくある必要はありませんが、試合に勝つ有効な方法の一つであります。

 

両チームがJ2では珍しい方法論を採用し、それがどれだけ勝ち点に結びつくのか?という実験(と言ったら大変失礼ですが…)はまだまだ観たいと思います。

ジェフからシーズンシート継続のお誘いが来ていますが、来期の姿(陣容)は見通せていません。

2年連続で昇格レースに敗れている、今年は早々と脱落してしまったという現実では、「継続する」と言っても信頼を勝ち取れるか?微妙だと思います。

「いいサッカーが観たい」というある種の無責任なシーズンシートオーナーよりは、「ジェフを応援する」人の意見が優先されるべきです。

近隣の町田ゼルビア、東京ヴェルディ、横浜FCが、苦しくも楽しい冒険の最中で羨ましく映りますので…。

 

フクアリでの試合もあと1試合になり、11月中にはシーズンが終わります。

できれば「超早割!!!」と書いてある間に、来期の姿の概要が分かればいいなと思います。

 

 

yas-miki

 

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