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22日のJ2は、首都圏だけで4試合も組まれていたので、

サッカーファンには嬉しい悩みの日でした

 

 

ジェフ千葉のシーズンシートオーナーとしては、

ニッパツで@横浜FCが、一番無難な選択肢だと思います

 

 

ただこの日は夕方から雨予報なので、

屋根がある味の素スタジアムの優先度が高くなります

 

 

 

またヴェルディが好調なので、

どんなサッカーをするか?という楽しみもありました

 

 

ジェフと同じく、2017シーズンから外国人監督を招聘して、

その結果、上位につけているので、

「何かの魔法がかかったのかもしれない」という期待がありました

 

 

勝手に味スタのスタジアムツアーをしたかったので、

キックオフ1時間30分前の開門と、ほぼ同時に入場して、

バックスタンド最上段を確保しました

 

 

スタジアムツアーの様子は、別記事で頑張る予定ですが、

観客は2,800人くらいでした

(京王飛田給駅の予想は、4,500人だったと思います)

 

 

味スタがデカいスタジアムだったり、

雨予報だったり、最下位のザスパ戦だったり・・・

理由はいろいろあると思いますが、

ヴェルディも厳しい環境だなと痛感しました

 

 

まだDAZNに加入していないので、

Jリーグの情報から疎遠になってしまっています

 

 

改めてスカパーさんのありがたみが身に染みます

 

 

ヴェルディは、今年初観戦で、

ザスパは、2週間前にフクアリで観て以来の2回目でした

 

 

前回のザスパは、3バックでしたが、

ジェフ対策だったのか? デフォルトだったのか?という情報すらなかったです

 

 

対するヴェルディも情報ゼロで、

システム・選手ともに何をしてくるか?分かっていませんでした

 

 

前述のようにお客さんの少ないスタンドでしたが、

それでも足を運んでくれるお客さんは、漏れなく熱いサッカーファミリーでした

 

 

みんながヴェルディを愛していて、

観る眼の肥えた人が多かったように感じました

 

 

寂しいけど、雰囲気は悪くなかったと思います

 

 

Contents

試合結果は

東京ヴェルディ 3 - 1 ザスパクサツ群馬

 

 

ヴェルディの3点目は、後半終了間際なので、

スコアほど力の差があったとは感じませんでした

 

 

ザスパは、前から積極的にボールに絡むサッカーをしていて、

ヴェルディは、したたかに穴を狙っていました

 

 

同じフォーメーションでしたが、

ベースのコンセプトが違うように感じたので、面白い試合でした

 

 

 

ザスパは、前へ出て圧力を強めようとし、

ヴェルディは、一度受け止めてからカウンターで前へ出ようとしていました

 

 

ザスパのプレスが決まって、試合がバタバタする時間、

ヴェルディがプレスを外して、試合を落ち着かせる時間、

ザスパがシステムを変えて、流れを引き戻す時間

大きく3つの時間に分けられたと思います

 

 

ヴェルディのゴールは、

前半アディショナルタイムにPKを決めたゴール

(PK獲得前のパス回しは素晴らしかったです)

狙っていたカウンターでサイドを崩し、ピニェイロが頭で合わせたゴール

(ヴィエイラのクロスも素晴らしかったです)

後半終了間際にゴール前でのザスパのミスを突いたゴール

(抜け目なく狙っていて、しっかりゴールにできる決定力が素晴らしかったです)

 

 

ザスパのゴールは

0-2にされてすぐに、CKから奪ったゴール

(ニアですらして、ゴール前に運ぶのは狙い通りでキレイでした)

 

 

ザスパのゴールが、試合を大きく動かしたように感じました

 

 

これでザスパは、「まだやれる」

ヴェルディは、「ちょっとやばいかも」という空気が流れました

 

 

どちらにも決定機があったので、

それをゴールという数字にできるか?できないか?が、

勝敗を分けました

 

 

ゴールを決めたピニェイロとヴィエイラの能力が際立ちました

 

 

試合後のザスパゴール裏では、

サポーターが居残りで、スタッフと話合っていたので、

内容にも、結果にも不満だったかもしれないですね

 

 

基本のフォーメーションは

両チームとも、1-3-4-2-1でスタートしました

 

 

1-3-4-3とも書かれるかもしれませんが、

その数字に大きな意味がないので、1-3-4-2-1とします

 

 

赤をヴェルディ、青をザスパとして、

両チームのフォーメーションを重ねてみます

 

 

 

簡単にマッチアップの数を確認すると、

最終ラインで3対3なので、±0

中盤もダブルボランチなので、±0

サイドもWBが一人ずつなので、±0

前線も3対3なので、±0

 

 

どこを見ても、目の前の相手選手がはっきりする構図でした

 

 

ミラーゲームと言われる状況なので、

各所で起こる1対1の勝敗が、試合の結果につながりやすく、

地力のあるチームが有利だと思います

 

 

前述のように、ヴェルディの選手が【違い】を見せたので、

ヴェルディが勝利を手繰り寄せました

 

 

しかし後半の途中から、

ザスパがフォーメーションを、

1-3-4-2-1から、1-3-3-2-2へ変更しました

 

 

赤をヴェルディ、青をザスパとして、

もう一度、両チームのフォーメーションを重ねてみます

 

 

 

大きく状況が変わるのは、中盤です

 

 

同じように、数を確認すると、赤のヴェルディから見て、

最終ラインで3対2なので、+1

ボランチの所は2対2なので、±0

サイドもWBが一人ずつなので、±0

ザスパのボランチ(アンカー)が余るので、-1

前線は3対3なので、±0

 

 

最終ラインで数的優位ですが、

中盤でその代償を払う状況です

 

 

詳しくは後述しますが、

中盤での数的不利が、試合の流れを変えたと思います

 

 

同じフォーメーションでスタートしましたが、

狙っていたサッカーには違いがありました

 

 

ヴェルディボールのときは

ザスパは前から積極的にプレスしていました

 

 

フォーメーションだけを見ると、

目の前の相手がはっきりしています

 

 

自分の相手を封じることが、基本になっていました

 

 

最終ラインの設定は、少し高いくらいでしたが、

どこでも観られるくらいなので、特殊なことはしていません

 

 

ザスパのWBは、ヴェルディのWBの近くでプレーしていました

 

 

特徴が出ていたのは、

ザスパのダブルボランチの位置でした

 

 

ヴェルディは、後ろの5人(ダブルボランチと最終ラインの3人)で、

ボールを回して、試合を組み立てます

 

 

ヴェルディの5人に対して、

ザスパはダブルボランチを上げて、

1トップ、2シャドーと合わせて、

5人でプレスをかけました

 

 

極端に描くと、こんな感じです

 

 

 

ボランチを上げて、前から積極的にプレスするのは、

2週間前のジェフ戦でも観られました

 

 

前の選手の運動量を上げて、ボールを追うことで、

攻撃側が余裕を持って、ボールを持てないようにすることを狙っています

 

 

これがハマって、ザスパペースの時間もありました

 

 

サッカーには完璧な戦術はありません

 

 

いい面があれば、悪い面もあります

 

 

ヴェルディは、ザスパの守備の弱い所を突こうとしました

 

 

ザスパの弱い所は、【バイタルエリア】のように観えました

 

 

ザスパは、ダブルボランチが前に出るので、

彼らが元々いたポジションが空くことになります

 

 

そこでヴェルディの選手が前を向ければ、

大きなチャンスがやってきます

 

 

超シンプルにした例を紹介します

(こんな極端なシーンは少なかったです)

 

 

 

赤のヴェルディは、サイドに開いた2番のCBへボールを送ります

 

 

するとザスパは、青の10番がボールを追いますが、

スタート位置がサイドではない分、後追いになります

 

 

ヴェルディの2番がボールを持つと、

ボールサイドのシャドーに入った9番がバイタルエリアに下りてきます

 

 

9番をフリーにしたくないので、

ザスパの4番のCBは付いていきます

 

 

ここでザスパ側の狙いは、

ボールのないサイドのボランチ(青の6番)を下げておいて、

ヴェルディのシャドー(赤の9番)にボールを出させ、

2対1で挟んでボールを奪うことだと思いました

 

 

 

しかしザスパの狙い通りには行きませんでした

 

 

ザスパ側に起因する大きな理由は、

ボールのないサイドのボランチの帰りが遅かったこと

CBのマークが甘く、ボールに寄せ切れなかった

 

 

最大の理由は、ヴェルディがザスパの狙いを外したことです

 

 

先程と同じ図を出します

 

 

 

ヴェルディのCB(赤の2番)がボールを持ち、

シャドー(赤の9番)がバイタルに下りて、

ザスパのCB(青の4番)が付いていきます

 

 

ここでヴェルディは、トップ(赤の11番)が、

シャドーがいなくなったスペースへ流れ、

CBからボールを受け取ります

 

 

 

ヴェルディが狙っていたポイントは、

【大きなスペース】で、【能力の高い選手】がボールを持つことです

 

 

ここでボールを保持できれば、

ザスパの守備ブロックを下げることができますし、

味方の上りを待って分厚い攻撃ができます

 

 

ヴェルディのトップが、ボールを保持する頃、

バイタルに下りていたシャドー(赤の9番)がゴール前に進みます

 

 

 

マークを担当しているザスパのCB(青の4番)は、

どうしても後追いになり、ヴェルディのチャンスになります

 

 

超シンプルな狙いを紹介しましたが、

この流れでチャンスが数回ありました

 

 

この狙いの派生プレーとして、

シャドーがバイタルでボールを持って、逆サイドへボールを流したり、

1トップがサイドまで流れて、サイドを攻略したりしました

 

 

ゴールシーンも、この展開から生まれたと記憶しています

(リプレーを確認していないので、記憶違いでしたらすみません)

 

 

ミラーゲームのポイントである、

【各所の1対1が試合結果に繋がりました】

 

 

前述のように後半途中で、

ザスパはフォーメーションを1-3-3-2-2へ変更しました

 

 

これで状況は変わりました

 

 

ヴェルディが同じようにシャドーがバイタルに下りてきても、

バイタルには、ボランチ(青の7番)が待ち構えています

 

 

ボールホルダーである赤の2番から見て、

近くの味方選手には、ザスパの選手が付いています

 

 

そのためヴェルディがバイタルでボールを持つことが難しくなりました

 

 

 

次にヴェルディが狙うのは、サイドのスペースです

 

 

 

同じようにサイドでボールを保持できたとしても、

中央のスペースは、ザスパのボランチがいち早く戻ってきます

 

 

ピッチの中央である中盤で、ザスパのボランチが余っていることが、

大きな意味を持つことになりました

 

 

このこともあって、ザスパが後半に流れを引き寄せました

 

 

ヴェルディボールときを切り取ると、

ザスパのプレスが効いていた

→ヴェルディが対抗策を打ってゴールを奪った

→ザスパが修正して、流れを戻しました

 

 

ここだけでも、駆け引きのある楽しい試合でした

 

 

ザスパボールのときは

ヴェルディは後ろでブロックを作って待ち構えました

 

 

ザスパがボランチを上げてプレスした守備とは、対照的でした

 

 

やや低い最終ライン設定で、WBがしっかり帰ってきて、

5バックを作っていました

 

 

またダブルボランチは、バイタルエリアを埋めることを意識していました

 

 

超シンプルに描きます

 

 

 

赤のヴェルディは、7人で守備ブロックを作りました

(3バック、ダブルボランチ、両WB)

 

 

ボールを持っているザスパは、

後ろの5人(3バック、ダブルボランチ)で試合を作ります

 

 

そこでボールを追うヴェルディの選手は、

1トップ、2シャドーの3人です

 

 

5対3なので、ザスパの選手は余裕を持ってボールを回せます

 

 

もっとシンプルに考えると、

ザスパのサイドのCBを担当するのは、シャドーですが、

ザスパのボランチを担当するのも、同じシャドーになりました

 

 

ここで2対1になるため、

ザスパのボランチが前を向ける回数が多かったです

 

 

しかし問題はここからで、

ザスパの攻撃からは、明確な狙いが観えませんでした

 

 

前にいる1トップ、2シャドーへボールを送り、

彼らが前を向いて、後ろからサポートの選手が上がってきました

 

 

ヴェルディ陣内のスペースは、ほとんど埋められしまい、

ボールを自由に動かせるシーンは少なかったかと思います

 

 

ヴェルディのダブルボランチが、

余っていることが要因です

 

 

先程の数合わせを思い出すと、

ヴェルディの前線は、3対5でボールを追っています

 

 

その結果、ザスパの選手が前を向けました

 

 

その代わりヴェルディ陣内では、

7対5でヴェルディが圧倒的に数的優位です

 

 

この+2は、ダブルボランチが余っていることです

 

 

ザスパが後半に中盤で数的優位を作って、

試合の流れを引き戻しことと同じ考え方ができます

 

 

2人でバイタルエリアを埋められ、

最終ラインやサイドで起きる1対1に、すぐに加勢できます

 

 

ヴェルディの守備は、狙い通りだったように観えました

 

 

自分たちで不用意なボールロストがあったり、

ザスパの選手に上手く前を向かれたりすると、

ピンチを迎えますが、1試合でピンチをゼロにするのは無理です

 

 

ヴェルディの守備は、積極的にボールを奪うことをしませんが、

しっかりしていたブロックで隙がない印象でした

 

 

後半途中に、ザスパがフォーメーションを変更したことで、

ヴェルディ陣内にも変化が出てきました

 

 

ヴェルディは7人で守備ブロックを作ることは変わりませんが、

そのブロックに入るザスパの選手が増えました

 

 

1-3-4-2-1の場合、ブロックに入る選手は最大5人です

(1トップ、2シャドー、WB)

 

 

1-3-3-2-2の場合、それが6人に増えます

(2トップ、インサイドハーフ、WB)

 

 

簡単な数合わせをすると、

ヴェルディから見て、

最終ラインで3対2なので、+1

サイドのWBは1対1なので、±0

ボランチの所で2対2なので、±0

ザスパのボランチが余って、-1

前線は3対3なので、±0

 

 

最も影響が大きかったのは、中盤です

 

 

ヴェルディのダブルボランチは、

余ってバイタルエリアのケアに専念していましたが、

そこにザスパの選手が2人も入ってきました

 

 

ヴェルディのボランチは、

その2人も気にしなければなりません

 

 

その結果、上手く守備がハマらず、ボールを奪えなくなり、

守備ブロックが下がり、ジリ貧になってしまいました

 

 

ザスパは、インサイドハーフがサイドに開くことで、

局面を打開しようとしました

 

 

極端に描くと、インサイドハーフ(青の6番)がサイドに流れます

 

 

 

するとヴェルディのボランチ(赤の7番)は、

インサイドハーフに付いて行くか?

自分が担当するバイタルエリアを守るか?

2つの選択を迫られます

 

 

バイタルエリアを守る選択をしたように観えましたが、

その結果、サイドで数的不利になり、押し込まれました

 

 

ヴェルディとしては、

サイドを攻略されても、ゴールのある真ん中を守ればいい

という考えが強かったのではないかな?と感じました

 

 

辛抱して耐えたことが結果につながり、

苦しい時間帯の失点を防ぎ、ダメ押しゴールが生まれました

 

 

ザスパはゴール前のクオリティを上げ、

チャンスをゴールにつなげられれば、逆転できたかもしれません

 

 

正確な文言は手元にありませんが、

J1とJ2ではチャンスの数に差はないが、それをモノにする力に差がある

みたいなことを、城福浩さんの本で読みました

 

 

この日もチャンスはありましたが、

CKからの1ゴールにとどまってしまいました

 

 

これが積み重なり、最下位に甘んじている印象でした

 

 

試合の感想は

両チームの狙いが観えて、楽しい試合でした

 

 

同じ1-3-4-2-1でスタートしましたが、

攻守の狙いに、はっきり違いました

 

 

どちらが正解ではなく、

結果的にヴェルディが3ポイントを手にしただけです

 

 

仮にザスパが勝っていたら、

試合の印象は180度変わったと思います

 

 

ザスパのサッカーが悪いとは思わなかったので、

何かのきっかけで歯車がかみ合えば、結果がついてくると予想しています

 

 

もちろんヴェルディが成功したように、

前線のスペースを使われて、能力の高い選手との1対1を迫られる

という状況には対応しなければいけません

 

 

ボランチのポジショニングを下げたり、

最終ラインを高く設定したり、

WBに中へのケアを意識してもらったり…

yas-mikiが考えるだけでも、いくつかの方法があります

 

 

ここは監督・森下さんの腕の見せ所です

 

 

次の観戦機会があるのか?分かりませんが、

観戦するときには、ザスパの進化に注目したいです

 

 

対するヴェルディは、したたかさ、手堅さが印象に残りました

 

 

2016シーズンまでも、定期的に観戦していましたが、

スタンダードな戦術で、手堅いサッカーだと記憶しています

 

 

外国人監督であるロティーナさんを迎えても、

方向性は変わらないように観えました

 

 

3バックを導入し、後ろでブロックを作るのは新しい試みで、

最終ラインに大穴が空くことはなくなりました

 

 

チームとして後ろで待ち構える守備をしているので、

11人が同じ絵を描いていました

 

 

前線に能力の高い選手がいるので、

無失点で守れれば、1点獲って勝ち切れるように思います

 

 

圧倒的な強さを感じませんが、

90分経ったときに3ポイントはちゃんと積み上げられるチームでした

 

 

ヴェルディのサッカーだと、

シャドーとWBに大きな負担がかかりますが、

若い選手を起用して、運動量を保とうとしているのかな?と思いました

 

 

昇格レースに絡むと予想していなかっただけに、

いい意味で期待を裏切るチームでした

 

 

できれば別記事に書きますが、

ヴェルディの持つアットホームな空気は、

他クラブに誇れると思います

 

 

集客で苦労しているのは厳然たる事実ですが、

クラブ・サポーターが一丸となって打開しようとする熱さを感じました

 

 

味スタは最寄りのスタジアムなので、

スケジュールと予算が合えば優先度を上げたいと思います

 

 

他人事になってしまって申し訳ないですが、

ヴェルディには頑張って欲しいなと、

サッカーファミリーの一人として応援しています

 

 

 

yas-miki

 

サッカー観戦の参考に

【読書】 サッカースカウティングレポート ~超一流のゲーム分析~

 

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