メインスタンド改修後に初めて等々力に行ってきた
なかなか立派なスタンドで、「フロンターレやるやん!!」と思わせられた
FC東京がないので、関東のゲームを探して、
サンフレッチェ広島@柏レイソルというのも迷ったが、
ベルマーレが観たいという理由で、等々力行きを決めた
もう一つ挙げるとすれば、
代表招集された川崎の谷口を観たいというのもあった
川崎は5月16日の@ガンバ大阪を、テレビ観戦して以来、
湘南は今年初になる
J2での湘南は圧倒的で、
フクアリで千葉がボコボコにやられたのを観て、
すごいチームだと感動すらした
その勢いのままJ1でもしっかり勝ち点を重ねている印象があった
yas-mikiの戦前の予想は、
川崎のパスサッカーvs湘南のプレス
J2で猛威をふるった前線からの窒息させるプレスが、
川崎に通用するのか?を注目していた
川崎は1-3-4-1-2でスタートした
対する湘南は1-3-4-2-1でスタートした
最近Jでは、3バック系(5バック系)が流行りだが、
川崎も採り入れているようだ
もしかしたら3バック系の湘南対策という意味もあるかもしれない
青を川崎、赤を湘南として、両チームを重ねる
簡単に考えると、
川崎は中盤で3対2で数的優位だが、
前線は2対3で数的不利という感覚だ
試合展開をザッと書くと、
開始5分で湘南が先制してからは、
川崎がボールを持つも、攻めあぐねカウンターを食らう
後半10分に湘南・菊池のミドルシュートが、
クロスバーに当たって、真下に落ちたのがノーゴール判定
後半15分に中村を入れて、空気が変わり、
直後にPK奪取で同点
その後、両チーム点を獲り切れずにいたが、アディッショナルタイムに、
川崎・エウシーニョのスーパーミドルで決着という劇的なゲームだった
少しだけ湘南に肩入れして観ていたyas-mikiには、
菊池のミドルは入っていたように見えたし、
川崎のPKも流してもよかったかな?という感じだった
判定に関する意見は別投稿で考えるとして、
試合内容に入りたい
90分を通して、川崎がボールを持ち、湘南がカウンターという流れだった
なのでその状況を整理する
川崎は風間さんが監督をするようになってから、
細かいパス交換で狭い局面を打開しようとしている
試合前のトレーニングでも現れている
ほぼ全てのチームが、グリットを決めて、
ボールの奪い合いをする
5対5でやったり、
フリーマン2人の4対4でやったり、
ベンチ入りのメンバーを含めた8対8でやったりする
決められるグリットは25m四方くらいが一般的で、
鳥栖が35mほどで際立っている印象だ
川崎は20×15mくらいのグリットで、そのトレーニングをする
極端に狭いグリットを作って、
狭い局面で細かいパス交換することを意識付けている
予想より湘南が引いて、ブロックを作っているなという印象だった
最終ライン設定は高いが、5-4-1のブロックを作って待ち受けた
無理に前から追って、剥がされるというのを嫌ったかもしれない
これは初観戦なので分からない
湘南の5-4-1のブロックに対して、
川崎は3-1-5という布陣で攻めていた
かなり極端に図に示す
後ろはCB3人+ボランチ2人の5人で、組み立てをしていて、
5人のうち誰かが(特にトップ下の大久保)が引いてきて、
前線とのつなぎ役をするというサッカーだった
浦和や広島が成功している形をアレンジした形とも言える
風間さんがすごいのは両サイドのCBの人選だと思う
今日は武岡と車屋で、SBで使える選手を配置している
浦和や広島も、攻撃時はCBをサイドに開かせ、SBとして使うが、
人選としては、CBが本職の選手だ
川崎の策だとサイドの持ち上がりを楽にしている
もう少しWBを追い越す動きがあると面白いと思うが、
湘南のカウンターのリスクがあるので、自重していたのかもしれない
後ろの組み立てに関しては、川崎5人対湘南3人という形だった
湘南のシャドーの選手が、
川崎のボランチをCBの2人を見ることになった
かなり運動量が必要だったが、
大竹と高山はかなり頑張っていた
その高い位置でボールを奪う瞬間は少なかったが、
ボールの出し手のコースを限定する役割は果たしていた
川崎が縦に入れたボールを引っかけてカウンターを狙っていたし、
試合を通じてできていた
かなり前が走らされたが、
湘南のやりたいことができたのではないか?
川崎のボール回しを観ていると、
バックパスでやり直すことの重要性を再発見できる
ボランチや前の選手に入っても、前を向けない時はよくあり、
その時は、バックパスで仕切り直して、ポジショニングを調整する
バックパスという選択肢を持っているので、
湘南のプレスにビビるということが少なかったように思う
一昔前のガンバも同じことをやっていた
(遠藤を観ていると、今でもやっているが)
縦に入れて、前を向けないなら、バックパスで逃げて、
次のギャップを探す、一人ずつ剥がすという狙いだ
技術の高い選手を揃えているからディテールに拘れる
中村を入れてからは、小宮山をCBに持ってきて、
ボランチの森谷をWBに配置した
どんだけポゼッションできる選手を揃えるの?
とツッコミたくなった
昨日の千葉で、少し残念なポゼッションを観ているので、
流石は川崎という思いがした
川崎サポーターからすると、じれったい思いもするだろうが、
yas-mikiは観ていて楽しいサッカーだった
中村が入って空気が変わったのは、明らかだった
前線に積極的にボール入れて、それが正確だから
湘南にとっては脅威だった
加えてポジションを上げて、前線と絡むので、
誰がマークするの?と戸惑っているように見えた
ガンバの遠藤を観てても、たまにあるのだが、
ボールサイドからかなり離れてポジショニングすることがある
おそらく湘南のボランチは迷ったと思う
中村に脅威を感じて付いて行くと、ブロックにギャップができるが、
付いて行かないと、ボールを触られて、すごいボールが入る
何気ないポジショニングだけど、すごく考えられていて、
やっぱり一流は違うなと思った
期待の谷口はまあまあという感じだった
ボールさばきは上手いし、リスク管理もしっかりできて、
局面で戦えるという感じの選手かな
もう少し縦に入れるパスに工夫があると、
スーパーな選手になれると思う
湘南に話を移すと、カウンターの切れ味が素晴らしい
縦に入れられたボールを引っかけると、
ポジション関係なく、行ける選手がスプリントする
前でボールを奪われても、すぐに奪い返そうとする
攻守の切り替えの早さは秀逸で、
鍛えられているなと思った
今日はブロックを作って待つスタイルだったが、
全員が任務を遂行する意識が高かった
焦れずに自分のスペースを埋めて、
ボールが来たら激しく寄せるということを続けていた
今日はシャドーの選手に負担がかかる展開だが、
これは1-3-4-2-1の構造的な問題でもある
チョウさんは、選手交代でそれを解決しようとした
3枚の交代カードを切るという前提でゲームに入るというのは、
当たり前だが、勇気のいることだと思う
これから夏場になれば、スタミナロスはもっと早くなる
その時に3枚しかないカードを誰に切るのか?
指揮官としての手腕が問われる
2失点はしたが、PKとスーパーゴールと仕方がないと思うべきだろう
財政面の問題で、ネームバリューのある選手を獲得しづらいが、
走れる選手を揃えて、運動量でカバーするスタイルは素晴らしいと思う
今年からJリーグで、トラッキングデータが公表されるが、
走行距離、スプリント回数ともに上位なのは、
そういう選手を集めて、そういう指導をしているからだ
小さなチームが生き残る術を見せてくれている
今日は間違いなくグッドルーザーだった
また観たいと思わせられるサッカーだった
yas-miki