せっかくの神奈川ダービーなので、平塚まで足を伸ばした
試合の前日に平塚行きを決めたので、バックスタンドは完売で、
メインスタンドの指定席を買うことになった
湘南サポーターはもちろん、川崎のサポーターも集結して、
スタジアムの客入りは素晴らしかった
積極的なプレスを売りにする湘南
ディテールにこだわるパスサッカーの川崎
この戦いはどんな試合になるか?期待感が大きい
今年は等々力での試合も観戦していて、
かなり面白い試合だった
夏の試合、海に近い平塚での試合なので、
湘南のプレスがどこまで持つか?がキーになると思っていた
湘南はトレードマークとも言える1-3-4-2-1でスタートし、
川崎はフラットは1-4-4-2でスタートした
赤を湘南、青を川崎として、フォーメーションを重ねる
簡単な数合わせをすると、川崎から見て、
最終ラインが4対3で、+1
ボランチが浮いて、+2
相手のボランチが浮いて、-2
前線が2対3で、-1
川崎の最終ラインの所は、数的優位だが、
湘南がどのくらいの強度のプレスをかけるか?を楽しみにしていた
試合としては、
湘南の凡ミスから、開始20秒で川崎が先制し、
今度は川崎の凡ミスから、前半の半ばに追いつく、
一進一退の攻防が続いた後半に湘南のカウンターが決まり、
危ないシーンもありながら逃げ切った試合だった
湘南のGK秋元のビッグセーブがなかったら
負けていた試合かもしれない
ベルマーレでもプレーした小島さんの言葉を借りれば、
大切なことは、練習から最後まで悪あがきをすることだ。(中略)その1本に対してどれだけ執念を燃やせるか。
とシュートに食らいつくメンタルを重要視している
DFを含めて最後まで諦めない姿勢が結果になったと思う
試合を大局的に見れば、
ポゼッションの川崎、カウンターの湘南という図式だった
川崎は前の4人がバイタルに出入りしながら、裏と足元を狙い、
中村、大島が正確なパスを供給するという考えだった
湘南のボランチはバイタルを閉めるために、最終ラインの前に立ったり、
川崎のボランチに猛プレスをかけたりと
様々な手を使って守備をしていた
川崎はCB+ダブルボランチでゲームを作り、
湘南は前の3人で追いかける時間が長かった
4対3で、技術の高い選手を追うので、
湘南のプレスがハマっていたとは言えない
特にボランチがサイドに流れて、受けると
湘南のシャドーが追いつかないのでフリーになるシーンが多かった
川崎の選手はバックパスを有効に使いながら、
前を向いて、縦パスを供給しようとしていた
供給先のスペース(主にバイタル)には、
湘南の選手がたくさんいるにも関わらず、
どんどん入れていく姿勢は、観ていて面白かった
誇張した言い方をすると、
ボール1個分でもコースが空いてたら入れるという感じだった
湘南は体を張って、最後はやらせなかったので、
ボール支配率ほどのチャンスは来なかったかな?
前半を観た印象は、
湘南が猛プレスをかけようとしても、
川崎のショートパスでいなされていた
後半から川崎は1-3-4-2-1にシステムを変えてきた
前半同様に、赤を湘南、青を川崎として、フォーメーションを重ねる
同じフォーメーションなので、全ての選手のマークがはっきりする
この場合、10ヶ所で1対1があるとも言えるので、
個人能力の高い方が有利になる
この試合で言えば、川崎有利と言える
なぜ後半から戦い方を変えたのか?は不思議だった
前半は悪くなかったし、継続してやれば
湘南の選手が終盤にへばってしまうことが予想できた
自分たちのサッカーを捨ててまで、
ミラーゲームをする意味は分からなかった
湘南からすると、目の前の選手がはっきりするので、
体を張って、1対1で負けないようにするというプランができた
そのため前半ほど川崎のパスが回らなくなった印象だ
プレッシャーを感じながらの縦パスなので、
引っかけられてカウンターを食らう回数が増えた
湘南のカウンターのスゴい所は、
行けると思った選手が雪崩のようにスプリントすることだ
ポジションは関係なく、縦に疾走する姿は感動すら覚える
技術的なクオリティは高くないが、
カウンターでスペースは広いので、走力でなんとかなってしまう
決勝ゴールもそんな流れからだった
アシストした古林は、相当後ろからスプリントしていた
かなり縦に早いカウンターだったが、ゴール前の人数も多かったし、
誰に合わせてもゴールになっただろう
リードを奪ってから、川崎はより前がかりになった
中村を高い位置に置いて、
観方によっては1-3-1-5-1のようになっていた
湘南も運動量が落ちたのと引いて守りに入ったので、
川崎が後ろでフリーの選手を作って、バイタルに入れるという
前半と同じ図式になった
湘南のボランチの永木、菊地の周りには川崎の選手でいっぱいだった
前のプレスも効いていないので、コースを限定できずに、
バイタルで前を向かれることが多くなり、危ないシーンが増えた
前述のように最後の頑張りで得点を許さなかったのは、
川崎の前線のクオリティと運のおかげだろう
夏の暑い中での試合だったが、
お互いのやりたいサッカーをしたのかな?
観ている側は、かなり面白い試合だった
川崎のパスサッカーのディテールは細かく華麗に映るし、
湘南のハードワークは痛快だった
サポーターもお互いをリスペクトした雰囲気を作っていたし、
Jリーグの底力を見せてくれたように感じた
観戦計画を立てていると、湘南に来るのは最初で最後かもしれないが、
予定を変更してでも来たいなと思えるサッカーだった
yas-miki
前回の対戦の感想は、こちら