定点観測している千葉の首都圏のゲームということで、
ニッパツに行ってきた
サッカー好きとしては、
味スタの愛媛@東京Vの方が楽しめるかもしれないが、
腐れ縁だと思って千葉を優先した
プレーオフ圏外の千葉にとっては、流れを変えたい試合で、
横浜は連敗を脱出したい試合だったので、
お互い3ポイントが欲しい位置づけだった
そのはずなのだが、両チームとも3ポイントへの熱意が感じられなかった
アディッショナルタイムに決勝ゴールという劇的な展開だったが、
どこか釈然としない印象だった
前日に川崎フロンターレ@湘南ベルマーレを観ていたので、
試合のテンションの差を感じた
2015年8月22日 J1 川崎フロンターレ@湘南ベルマーレ
この日の方が、Must Winという色合いが強い状況なはずだが、
熱い試合をしていたのは川崎と湘南だった
これがカテゴリーの差なのだろうか?
野球の話になってしまうが、古田さんの言葉を借りると、
まず、チームスポーツにおいて気合だとか、ガッツだとか、積極的な気持ちなどといったことを説く方がいますが、こういった事柄はすべて持っていて当然と考えるべきでしょう。
上のレベルになると、より顕著になるとしている
それが当てはまる試合だったように感じた
J2ではトラッキングデータがないので、数字の比較はできないが、
かなりの差があるように見えた
Jリーグの公式HPによると、
前日のBMWは、気温27.8℃、湿度88%
この日のニッパツは、気温25.8℃、湿度52%
明らかに前日の方が環境が悪いにも関わらず、
テンションの高い試合ができていた
千葉も、横浜も負けを恐れて、1ポイントでもいいかな?という感じで、
3ポイントへの熱意が薄かったのではないか?
Must Win Gameなら、
横浜はもっと人数をかけて前に出るべきだし、
千葉はラストのCKで、GKを上げるくらいの積極性が欲しかった
(結果的には、そのCKでゴールが生まれたし、ラストプレーではなかったが・・・)
戦術の前に、ベースの部分でJ1とクオリティが違うなと感じた
試合内容に話を移すと、
千葉はJ2仕様のサッカーに転向したことは、
何度かこのブログで主張してきた
その路線は、この試合も継続だった
千葉がフラットな1-4-4-2でスタートして、
横浜が1-3-4-2-1でスタートした
赤を千葉、青を横浜として、フォーメーションを重ねる
簡単な数合わせでは、千葉から見て、
最終ラインで4対3なので、+1
中盤は数的同数と考えて、
前線が2対3なので、-1
3バック系のチームにありがちなシャドーの曖昧さがキーになる
千葉は1-3-4-2-1を苦手にしている印象があるが、
対策を準備しないのかな?と思う
同じフォーメーションでも、
最終ライン設定やプレスのかけ始めといったディテールは異なるが、
人の配置は同じなのだから、もう少し準備の結果が現れてもいい
横浜は最終ラインを高く保って、全体をコンパクトにしていた
千葉の最終ラインには持たせてもいいが、
中盤に入るコースはしっかり切っていた
横浜のシャドーの選手が絶妙のポジショニングで、
千葉のSBとボランチを同時に見ていた感じだった
完全に1対1ではないので、すぐにプレスをかけられないが、
千葉の選手がパスを出すタイミングでは寄せられていた
横浜のボランチも前に出て、千葉のボランチをケアしたり、
バイタルのスペースを消したりと仕事をしていた
そのため千葉はCBはボールを持てるけど、
パスの出し先がないという感じだった
こんな時はロングボールになるのだが、
前線には、千葉が4人(2トップ+2SH)なのに対して、
横浜が5人(3CB+2WB)だった
かなりのスペースを消されているので、
出し先に困っていた
ここ数試合ほどロングボールで、
ペチュニク、オナイウを狙っていた印象はない
その変わり、裏を取りたい動きが多かったが、
パスの出し手と受け手のタイミングが合っていなかった
決定機が数回あったが、狙い通り崩したのは、
森本が外した1回だけかなと観ている
前回の試合感想で、
ロングボールを入れて、 【何か】起きないとチャンスが来ないと書いたが、
この日は【何も】起きなかった
試合途中で、ペチュニクと松田を入れ替えて、前で収める力を強めたのは、
狙いがはっきりしていて分かりやすかった
森本を投入して、それをさらに強めたのも分かりやすい
森本も流石の働きで、時間を作っていた
ただ何をストロングにして、どう崩すか?
という課題は残ったままだと思う
そこに答えを求めないサッカーになってしまったのかもしれない
能力の高い選手を前に4人並べて、90分間やれば、
どこかでチャンスが来るでしょうといった感じだろうか?
それなら井出の良さが出ない
この日もボールを受けられずに、試合から消えていたので、
もっと機能する形があるように思う
そこは今後も試合を観ていくしかない
話は戻るが、森本には決定機で決めて欲しかった
戻った横浜のDFも素晴らしいが、
GKをかわした時点で、決めないと出場してる価値が下がる
途中出場してきて、前で収める力は素晴らしかっただけに、
ゴールという結果が欲しかった
何かきっかけがあれば、もっとブレイクできると思うので、
惜しいチャンスを逃してしまった
攻撃について、もう一つ注文を出すと、
スローインに気を使って欲しい
色々な試合を観ているが、千葉はスローインがダントツに下手だ
投げるタイミングが遅く、スペースを消されて、
前にいる大きな選手に高いボールを投げるのが通常になっている
それだとフィフティーのボールなので、
スローインでマイボールにした意味がない
最近読み直した宮本さんの本では、
投げる選手が素早く準備して、味方の選手もすぐにボールを受けられるように動いて、いい位置でボールをもらおうとしている。これはチームの強さを表す一つの指標といえます。
と紹介されている
足元で受けられるように、早く準備して
マイボールにする努力は必要だと思う
監督が誰でも同じ傾向なので、クラブの伝統みたいになっている
自分たちの時間を増やすために改善して欲しい
守備に関して言えば、最初の25分くらいで失点しなくてよかった
前の選手のプレスが弱く、コースを限定できないので、
最終ラインが下がってしまっていた
横浜の後ろの選手が余裕をもってパスが出せたので、
精度の高いボールが出てきた
千葉は4バックなので、ピッチの横幅を4分割しているが、
横浜は3バックなので、5分割している
そのためサイドの守備が厳しくなる
これでは人数を揃えていても、難しい
横浜の決定力不足と高木のビッグセーブがあってよかった
途中からは修正して守備が機能していた
横浜も手数をかけずに、前に蹴っていたが、
黒津は高さに特長がある選手ではないし、
千葉のCBも頑張っていた
そのため前でボールが収まる機会が少なかった
最初からいい守備ができていると、
もっと楽な展開に持ち込めたと思う
試合内容はダメダメだったが、3ポイント獲れてよかった
自動昇格を狙うなら、あと12試合で8ポイントを埋めなければならない
磐田が対象なので、かなり難しいタスクになるが、
1ポイントずつ積み上げて、迫っていって欲しい
混戦のJ2ではどんな相手でも油断できないので、
自分たちのスタイルを定めて、試合に臨めるといいなと思う
来週の天皇杯は、
出場機会の少ない選手を使うのか?
メンバーを落とさずに、サッカーを進化させるのか?
どちらになるか?分からないが、
リーグ戦へのいい流れを作りたい
シーズンが終わった時に、
『横浜戦で勝てたことが大きいね』
と言える試合になるといいな
yas-miki
前回の観戦の感想は、こちら