この本は、一人のサッカーファンが、
Jリーグのサポーターになる経過をつづっている
紀行文的な構成で、各スタジアム(サポーター)の様子が書かれている
流石は作家の文章という感じがして、読みやすい
試合内容に関する記述は、それほど詳しく書かれていない
その代わりに、スタジアムでしか感じられない雰囲気を
余すところなく書かれている
筆者が現地観戦に惹かれたのは、ゴール裏のサポーターの熱気である
ああ、サッカーなんて難しいスポーツではなかったのだ。
サッカーの「お勉強」をする必要はないのだ。
もちろん、それも大切なこどだと思うが、サッカーを楽しむために「必須」ではないのだ。
大切なのは、肩の力を抜いて、スタジアムの空気に身を任せることだ。
偶然にもyas-mikiは、同じ試合を観戦している
(おそらく近い座席に座っていたはず)
雨の国立、鹿島アントラーズ@FC東京だ
家から近いという理由で、FC東京を定点観測している立場すると、
ACLも視界に捉えた試合で、ボロボロに負けた試合だった
観戦慣れしている身には、ごくごく普通の試合だったが、
それでも一人の人間を感動させるものだったそうだ
やはり現地で観戦してもらえれば、
サッカーファミリーを増やせるのだと確信させられた
yas-mikiのJリーグの初観戦は、万博競技場のベルマーレ平塚@ガンバ大阪だ
当時は小学生で、親に「後半40分になったら出てくるように」と約束した
結果は、延長戦でガンバが勝ったので、勝利の瞬間には立ち会っていない
それでも楽しかったのを覚えている
その後、大学生の頃に、万博競技場でアルバイトをしていたので、
Jリーグの半分は、お金を稼ぐ場になった
(楽しく働けていたので、とてもいい経験になった)
その後社会人になり、東京で暮らすようになった
いつからスタジアム通いをするようになったか?は、記憶にない
断片的に覚えているのは、
友人とサンフレッチェ広島@ジェフ千葉を観に行き、
ミシャの3-4-2-1のシステムの機能美に感動した思い出がある
それでもスタジアムの空気が好きだったから、
他のスタジアムにも行こうと思ったはずだ
今やサッカーというスポーツを知らない人は少ない
4年に1度のW杯であっても、サッカーは世間の話題になる
Jリーグで話題になっている武藤や宇佐美は知らなくても、
メッシやクリスティアーノ・ロナウド知名度は桁違いだ
Jリーグはたま~~~~にNHKで放送されるが、
チャンピオンズリーグは、深夜ながらも地上波で放送される
残念ながら、これがJリーグの立ち位置だ
代表クラスの選手は、欧州のクラブでプレーし、活躍していて、
代表戦の注目度は非常に高い
Jリーグからすると、お客さんを呼べるスター選手が、
海外に出て行ってしまうのは、残念なことかもしれない
それでもJリーグの試合に通う固定のお客さんはいるし、
Jリーグ(各クラブ)を盛り上げようという人はたくさんいる
yas-mikiも、その一人だ
第5節のタイトルは、
Jリーグファンは寂しかったし、悲しかったのではないか
この言葉は胸にささった
yas-mikiは、無料ブログ時代からJリーグの記事を書いている
正直、このブログを含めて、発信力に乏しく、
Jリーグの発展に貢献するには、あまりにも微力だ
ただ目の前に面白いものがあるということを知って欲しいを願っている
海外サッカーの良さも分かるし、テレビ観戦もしているが、
画面を通さないリアルな世界を、是非とも体験して欲しい
同じ思いの人が多いことを、筆者は伝えてくれた
サッカーというスポーツを知っている人であれば、
サポーターの作るスタジアムの雰囲気で、
リピーターを作れるのではないか?
そのきっかけとは何なのか?
筆者の紀行文には、多くの人が登場する
初観戦のブログをアップすると、反響を呼び、
「ウチのチームにも、来てくれ」と勧誘されたそうだ
これは読んでの感覚だが、
人とのつながりが、筆者をJリーグに呼び込んだように感じた
どこのクラブにも、我がクラブを熱く紹介する人がいて、
その熱意が観戦の楽しさを増長させている
yas-mikiは一人でじっくり観たい派なのだが、
熱いファンと観るというのが、
「次もスタジアムに来よう」という動機になるのかもしれない
筆者は、ある意味で奇特な人かもしれない
Jリーグの様々なクラブの試合に行く人は、
そんなに多くないと感じている
それぞれ贔屓のクラブがあり、
そのクラブに帯同する人が多いのだろうと思っている
関東圏が多いとはいえ、多くのクラブを観てきている
その先々で熱いサポーターとの交流がある
誰かが誘わないと、人は動いてくれないのかもしれない
そのうちに友人が、友人を呼んで・・・という形になるのが、理想であり、
この本には近い経験が書かれている
この記事を書きながらも、自分の中に葛藤はある
趣味としてのサッカー観戦は、一人でゆっくりしたい反面、
Jリーグを少しでも盛り上げたいという思いもある
その中間点が、このブログなのかな?と自己分析している
自分が観たもの、聞いたものを記事を通して、
少しでも興味を持った人に伝えていく
それがyas-mikiのJリーグとの関わり方としたい
筆者はサッカー観戦経験を一つの物語としている
最後の3行を引用したい
この物語に参加する方法は簡単だ。
一番近くにあるスタジアムに行ってみるだけでいい。
そのチームが強かろうが、弱かろうが、世界的なスター選手がいてもいなくても関係ない。
そこへ行けば、自分だけの物語が始まるはずだ。
筆者のように、たくさんの人と交流しながら、サッカー観戦をするのもいいし、
yas-mikiのように、勝手気ままにスタジアムを歩くのもいい
十人十色の楽しみ方がきっとある
この本を通じて、第二、第三の筆者・中村さんが現れることを願っている
yas-miki