
サッカー観戦をする際に、どのチケット(=席種)を買えばよいのか?という疑問があると思います。
スタジアムによって、クラブによって様々な席のチケットが売られており、迷う方も多いでしょう。
自分も初めて行くスタジアムは、チケット(=席種)選びにかなり迷います。
売られている席種には、それぞれの特徴(メリット・デメリット)があり、観戦する方がサッカー観戦に求めていることも様々です。
そのため、ある人にとってメリットになることが、別の人にはデメリットになってしまいます。
人によってベストな席種が異なってしまうため、ご自身の要望にあった席種を選ぶ必要があります。
そこで自分の考えを紹介します。
結論を先に書くと、屋根にカバーされた席、かつ指定席、かつバックスタンド、かつ上段がベストです。
- 屋根にカバーされた席:雨に濡れながら観戦したくない
- 指定席:希望の席に座れるか?の心配をせずに、時間を気にせずにスタジアムに来たい
- バックスタンド:横位置で観たい、それでいてメインスタンドよりチケットが安い
- 上段席:俯瞰で観戦したい
スタジアムによっては、この条件を満たす席は無いかもしれません。
その場合は、より条件が重なる席種を選びます。
Contents
屋根にカバーされているか?は超重要
サッカーのチケットを理解するには、2つの軸を組み合わせる必要があります。
- 指定席 or 自由席
- スタンドの位置
しかし、私の場合、何よりも重視したいと思っていることがあります。
それは、「席が屋根にカバーされているか?」です。
私は「購入する席が屋根にカバーされているか?」を最も重視しています。
理由は、雨に濡れながらサッカー観戦することが嫌だからです。
野球と異なり、サッカーは雨が降ろうが、雪が降ろうが、基本的に天候に関わらず開催されます。
(台風や雷、豪雨であれば中止もあります)
そのため季節によっては高い確率で雨の中での観戦になります。
サッカー観戦では基本ルールとして、観戦中に傘の使用はできません。
傘をさしてしまうと、後ろの人が見えなくなってしまうためです。
- 体調: 気温が低い日に「ずぶ濡れ」では体調悪化につながってしまう
- 自分の体の雨対策: 雨合羽やポンチョを着る、試合後の着替えを用意する
- 荷物の雨対策: 防水性の高いバッグを使う、バッグが入るビニール袋(大き目のゴミ袋など)を用意する
- メンタル: 快適性が格段に落ちるので、試合に集中できない、テンションが下がる
「雨に打たれながらのサッカー観戦は、できるだけ避けたい」と思っていますし、多くのサッカーファンも思っているはずです。
同じ席種でも「屋根にカバーされた席」と「屋根にカバーされていない席」がある場合、雨が降っている日は、「屋根にカバーされた席」から埋まります。
味の素スタジアムで撮影した例で、スタンドの下の方は屋根にカバーされていないため、明らかに空席が多いです。
チケットを買うタイミングが、試合前日や試合当日であれば、天気予報もかなり正確です。
そのため、雨の降らない試合を選択できます。
- そもそもサッカー観戦に行くか?行かないか?
- 屋根にカバーされた席を買うか?他の席を買うか?
しかし、人気の対戦カードであったり、特別な試合であれば、チケットを買うタイミングは、試合の何週間も前になってしまいます。
チケットを買うタイミングが早い場合、かなり天気予報にブレがあり、試合日の天気は分からないでしょう。
屋根があれば、雨による観戦環境の変化が少なくできるため、「屋根にカバーされた席」を買うようにしています。
Jリーグもスタジアムの屋根は重視していて、クラブライセンスの項目に挙げています。
(1)スタジアムの屋根は、観客席の3分の1以上が覆われていなければならない
(2)前項にかかわらず、スタジアムの屋根は、すべての観客席を覆うことが望ましい。
この(2)について、Jリーグスタジアム規則を引用します。
新設及び大規模改修を行うスタジアムについては、原則としてすべての観客席を覆うこと
この項目は、J1・J2基準では『必ず具備しなければならない条件』となっています。
既設のスタジアムでは(1)と(2)を併せて、『具備が必要とされるののの、期限については今後検討を続けていく条件』となっていますので、屋根に覆われていなくても仕方ないというスタンスです。
Jリーグがクラブライセンス制度で屋根のカバー率を規定するため、スタジアム新設・改修費用が膨らみ、地方自治体との合意形成ができない問題が起きています。
クラブライセンスの正当性はともかく、Jリーグとしては「スタジアムの屋根は重要」というスタンスです。
初めて行くスタジアムの場合、まずスタジアム外観写真を検索し、どの位置に屋根があるのか?、そして屋根にカバーされた席の席種を確認(予想)しています。
サッカーチケット(=席種)の概要
チケットの種類の多い場合、それぞれの違いが分からず、困るかもしれません。
2軸で考えると、基本は抑えられると思います。
- 指定席 or 自由席
- スタンドの位置
これらの違いについて紹介します。
指定席と自由席の違い
チケットには、『指定席』と『自由席』の2つがあります。
自由席は、ゾーン指定席と書かれる場合があり、注意が必要です。
『指定席』と『自由席』の違いは、チケット買った時に自分の席が決まっているか?です。
新幹線や特急列車の『指定席』、『自由席』と同じと考えて下さい。
一般的な特徴を挙げます。
指定席と自由席の違い:指定席の方が、時間的な自由度が高い
- 指定席:席が決まっている ⇒ キックオフ直前に来ても大丈夫
- 自由席:席が決まっていない ⇒ (指定されたエリアの中で)良い席は早く来ないと座れない、稀に座れない
指定席は、決まった席で観る権利を買うため、チケットを買った時点で座る席が決まります。
そのため、スタジアムに早く来る必要がありませんし、スタジアムグルメやイベントに時間を費やしても席の確保という心配がありません。
一方、自由席は、試合日にスタジアムに入場してから、自分で座る席を選びます。
そのため、指定されたエリアの中での良い席や観戦環境の良い席を確保しようと思うと、スタジアムに早く来る必要があります。
一般的に、開場時の入場順はシーズンシートのお客さん⇒一般のお客さんですので、一般のチケットを買って入場すると、もうお目当ての席が埋まっている可能性はあります。
自分で決めた席を離れる場合には、タオルなどの荷物を置いて、「この席は取ってます」アピールをします。
「この席は取ってます」アピールをすれば、横取りされることは、ほぼないですが、暗黙の了解ですので、リスクは残ります。
また、たいていのお客さんは、1席以上空けて自分の確保する傾向があります。
すると、まれではありますが、歯抜けに座席が埋まってしまい、複数人のグループで観戦しようとしても、連続で席が確保できないということもあります。
そういった状況を防ぐために『席詰め』をする場合もありますが、自由席のリスクの1つに挙げられると思います。
席が決まっていることのデメリットは、周りのお客さんも決まってしまうことです。
サッカー観戦では、観戦スタイルが合わないお客さん、マナーが悪いお客さんがいることは事実で、観客同士のトラブルは起こりえることです。
トラブルを避けるために、自由席であれば、自分が席を移動すれば良いですが、指定席であれば、それが難しくなります。
実際に自分自身がトラブルに巻き込まれたことはありませんが、「あのお客さんとは合わないな…」と思ったことは何度もあります。
指定席と自由席の違い: 指定席の方が、チケットの値段が高い
- 指定席:チケットの値段が高い
- 自由席:チケットの値段が安い
試合が観やすい(=観戦観戦が良い)メインスタンドやバックスタンドが指定席になります。
そして座席が確保できるため、指定席の方が、チケットの値段が高くなります。
スタンドの考え方
チケットを買う席を選ぶ際に、抑えておきたい知識として、4つのスタンドを挙げます。
サッカーをするスタジアムは、大まかに『メインスタンド』、『バックスタンド』、『ホームゴール裏スタンド』、『アウェーゴール裏スタンド』に分けられます。
簡単な図になってしまいますが、ご紹介します。
各スタンドが独立していないスタジアムも多く存在しますが、位置を表す意味で『メイン』、『バック』、『ゴール裏』という言葉を使います。
これらのスタンドをもっと簡単に考えると、『メインスタンド・バックスタンド』と『ゴール裏スタンド』になります。
スタンドごとの視点の違い: 横視点のメインスタンド・バックスタンドの方が観やすい
- メインスタンド・バックスタンド:(テレビカメラに近い視点)横視点で観るので、ピッチ全体を俯瞰しやすい
- ゴール裏スタンド:縦視点で観るので、ゴール前の攻防を詳しく観やすい
通常、テレビカメラはメインスタンドに設置されますので、テレビでサッカーを観ている方は『横視点で観る』ことに慣れていると思います。
(Jリーグスタジアム基準には、テレビ中継カメラ/テレビニュース関連ENGカメラの設置スペースは、メインスタンド中央部と明記されています。)
メインスタンド・バックスタンドの上段で、テレビカメラに近い景色で観ることができるスタジアムもあります。
私がシーズンシートを持っていたジェフユナイテッド千葉のフクダ電子アリーナも、テレビカメラに違い視点を得る席があるスタジアムの1つだと思います。
自席はバックスタンドで、高度もテレビカメラほど高くもないため、テレビ中継と全く同じ景色ではありません。
しかし、スタンド上段は、テレビカメラに近い視点でピッチ全体が見渡しやすいので気に入っています。
中村俊輔さんの著書には、スタンド上段からピッチを俯瞰することのメリットが書かれています。
鳥のように空を飛んでピッチを俯瞰できれば、両チームの選手の位置関係とボールの場所、そして空いているスペースを把握できる。そんな視野を持ってプレーするのが理想だ。
スタジアムのスタンド上段から観戦した経験のある人には、その気持ちが伝わりやすいと思う。中村俊輔式サッカー観戦術
また、ゴール裏スタンドは、片方のゴールが近く、もう片方のゴールが遠い視点になります。
反面、メインスタンド・バックスタンドは、同じくらいの距離感の視点になります。
視点の違いから、メインスタンド・バックスタンドは、どちらのゴール前も同じくらい観やすいと言えます。
長野Uスタジアムで撮影した例(どちらも同じ画角です)を紹介します。
まずはゴール裏スタンドからの写真です。

そしてバックスタンドからの写真です。

サッカーの試合は、ピッチの中央(ミドルサード)で展開されることが多いので、ピッチ中央での攻防が観やすい特徴もあります。
また、サッカーの重要なルールの1つ、オフサイドを判断しやすい特徴もあります。
同じスタンドでも、高度によって視点は変わります。
高度が低いと、ピッチに近いですので、迫力のある視点になります。
ボールを蹴る音や選手の息づかいが聞こえますし、芝生の匂いがあり、五感でサッカー観戦を楽しめます。

高度が高いと、ピッチを俯瞰で観られますので、ピッチ全体を把握しやすい視点になります。
試合を分析しながら観たい場合、高度が高い(=後ろの)席を確保した方が良いです。

フクダ電子アリーナで撮影した例も紹介します。
階段を挟んで、下段スタンドと上段スタンドから撮影した例です。
まずは下段スタンドからの写真です。

そして上段スタンドからの写真です。

どちらの写真も同じ画角ですが、印象はかなり異なると思います。
観戦スタイルに合わせてチケットを選ぶと、より楽しめるのではないでしょうか。
スタンドごとの観戦方法の違い: 「ゴール裏スタンドは立ち上がって観るもの」と考えた方がトラブルが少ないです
- メインスタンド・バックスタンド:座って冷静に観る
- ゴール裏スタンド:立ち上がって熱く観る
ゴール裏スタンドは、必ず立ち上がって観なければいけないことはありません。
しかし、ゴール裏スタンドには、熱く応援したいファン・サポーターが集まり、立ち上がって応援しますので、自分も立って観ないと、試合が見えないということです。
ゴール裏スタンドのチケットは安いので、サッカー観戦初心者の選択肢に入りやすいです。
何も知らずにゴール裏スタンドの席に座っていると、「他のお客さんに立って応援することを強要された」というトラブルは頻出です。
「私もファン・サポーターの一員として、応援するぞ!」という意気込みが無いのであれば、ゴール裏スタンドは避けた方が良いと思います。
以前、ゴール裏スタンドで観ていた時期もありましたが、前半45分立って、ハーフタイム15分休んで、後半45分立って観戦するのは、体力が要ります。
ゴール裏スタンドの特徴は、何と言っても、盛り上がり、サッカー熱です。
周りは立ち上がって応援する熱いファンですから、盛り上がりはスゴイです。
この記事を書いている2022年は、声出し応援が少しずつ解禁されてきています。
コロナ前のように声出し応援ができるようになれば、チャントと呼ばれる応援歌を歌い、さらに熱い雰囲気に包まれるはずです。
私は、ゴール裏スタンドのファンが、選手・監督・クラブと一緒にスタジアムの雰囲気を創っていると思っています。
スタジアムまでサッカーを観に来た感を強く感じることができます。
一方で、メインスタンド・バックスタンドは、座って観ることが基本です。
座って観ることを明文化しているスタジアムもあります。
そのためファミリー層や年齢が高い層の落ち着いたファンが多く、ゴール裏スタンドと比較すると、ゆっくりとした空気感です。
手拍子で応援される方が多く、初心者向きなのかな?と思います。
観戦環境の違い: 太陽光は味方にも敵にもなるので注意が必要です
全てのスタジアムに該当することではありませんが、スタジアムには方角の基本的な考え方があります。
『メインスタンドを西側に造る』です。
以前にスタジアムの方角に決まりはあるのか?という記事を書きました。
調べてみると、様々な理由から、メインスタンドを西側に造るという原則が存在しました。
そして多くのスタジアムは、その原則に沿って造られていました。
(そうでないスタジアムも一定数ありますが…)
よく観戦しているフクダ電子アリーナは、メインスタンドを西側に造る原則に沿って建てられています。
バックスタンド(東側に建っているスタンド)で観戦して気づくことは、西日がありがたくも、悩みの種にもなるということです。
バックスタンドは最後まで日が残るため、寒い時期の観戦では、太陽の暖かみを感じるメリット、暑い時期の観戦では、最後まで暑さを感じるデメリットがあります。
また、西日が目に入りやすいので眩しいという悩みがあります。
ゴール裏スタンドから撮影したバックスタンドです。
同じゴール裏スタンドから撮影したメインスタンドです。
バックスタンドと逆の方角に建てられているメインスタンドは、その逆、すぐに日陰になり、太陽光は気にならない特徴になります。
それぞれのスタジアムが建てられている方角を確認すると、観戦環境が予想しやすいと思います。
そして一般的にチケットの金額は、メインスタンド>バックスタンド>ゴール裏スタンドの順です。
ゴール裏スタンドと比較して、メインスタンドは数倍の値段になるスタジアムもあります。
観戦環境は異なりますが、観ている試合は同じです。
それでチケットの値段が数倍高いとなると、二の足を踏む人も多いと思います。
ではオススメのチケットは?
これまでサッカー観戦のチケット(席種)について、長々と書いてきました。
では、オススメのチケットは?となります。
身も蓋もありませんが、観戦する人によって、サッカー観戦に求めるものが異なりますので、全員に当てはまる正解はありません。
分かりやすい例を挙げると、熱狂的に応援したい人にとってはゴール裏スタンドが正解ですが、試合を冷静に分析したい人にとってはメインスタンド・バックスタンドが正解です。
安く観戦したい人にとっては、メインスタンドの指定席は選択肢に入らないでしょう。
万人受けする答えが無いことを踏まえて、個人的なオススメが、屋根にカバーされた席、かつ指定席、かつバックスタンド、かつ上段です。
その結果が、フクダ電子アリーナの自席です。
- 屋根にカバーされた席:雨に濡れながら観戦したくない
- 指定席:希望の席に座れるか?の心配をせずに、時間を気にせずにスタジアムに来たい
- バックスタンド:横位置で観たい、それでいてメインスタンドよりチケットが安い
- 上段席:俯瞰で観戦したい
スタジアムによって、全ての希望を満たすチケットがある場合も無い場合もあります。
希望を満たすチケットが無い場合は、出来る限り希望を満たせる席を探します。
試合時間に雨が降らないと確信できない試合は、次の優先度で席を探しています。
- 屋根にカバーされた席
- バックスタンド
- 上段席
- 指定席
試合時間に雨が降らないと確信できる試合は、次の優先度で席を探しています。
- バックスタンド
- 上段席
- 指定席
- 屋根にカバーされた席
何度も書きますが、全員にとっての正解はありません。
結局は、理想のチケット(席種)は自分次第です。
それでも1つの例、考え方として紹介しましたので、参考にして下さい。
yas-miki(@yas-miki)