
安くサッカー観戦の遠征をしたいと考えた場合、航空会社のマイルは有効な選択肢の1つです。
私はANA(全日本空輸)のマイルを貯めています。
マイルを貯めて、都市間の移動を「タダ」にしたいと考えています。
マイルを貯めていて思うのは、「1マイルの価値は何円分の価値があるのか?」という疑問です。
そこで、マイルの使い道と価値を調べてみました。
Contents
航空会社のマイルとは?
今回紹介する「マイル」とは、ANA(全日本空輸)が提供するポイントプログラム「ANAマイレージクラブ(AMC)」で貯まるポイントのことです。
貯めたマイルは、ANAの航空サービスを始め、買い物やポイント交換に使用できます。
そして、ANAマイレージクラブ(AMC)は、ANAが提供する無料の会員制度です。
ANAマイレージクラブに登録しておくと、マイルの加算・利用、特典との交換が可能になります。
- (国内線、国際線ともに)フライトマイルの加算
- ホテル宿泊やネットショッピングといった提携サービス利用でマイル加算
- マイルを特典航空券やANAスカイコインに交換
- 会員ステータスによる優先搭乗などの優遇サービス
また、ANAマイルの有効期限は、獲得してから36ヶ月後=3年後となっています。
使い道1: 特典航空券に交換
その中でも、メジャーな使い道は、『特典航空券』です。
特典航空券を利用すれば、飛行機代がタダになるので、とても魅力的です。
- ANA国内線の特典航空券
- ANA国際線の特典航空券
- ANAと提携している航空会社の特典航空券
ANAだけでなく、提携している航空会社でも使えるのは便利です。
ANAは『スターアライアンス』というネットワークに加盟しています。
調べてみると、ユナイテッド航空やアシアナ航空などが加盟していました。
特典航空券は、1マイルの価値を大きく高められるため、多くの利用者が目指す使い道です。
1つネックとしては、それぞれの便にはマイルが使用できる枠があるため、満枠だと予約ができない点です。
ANA国内線の特典航空券に交換する場合の1マイルの価値は?
マイルの価値を調べるためのサンプルは、羽田空港~福岡空港に設定しました。
特典航空券は、「ローシーズン」、「レギュラーシーズン」、「ハイシーズン」によって必要なマイルが変わっています。
「ローシーズン」は閑散期、「ハイシーズン」は繁忙期と言い換えられます。
サンプルとして、次の日を設定しました。
シーズン区分 | 日程 |
---|---|
ローシーズン | 2025年12月6日(土) |
レギュラーシーズン | 2025年11月15日(土) |
ハイシーズン | 2025年12月27日(土) |
できるだけ近い日を選んでいます。
この時に必要なマイルは、次のようになります。
シーズン区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
ローシーズン | 7,000マイル | 14,000マイル |
レギュラーシーズン | 8,500マイル | 17,000マイル |
ハイシーズン | 10,500マイル | 21,000マイル |
では、ここで書いた7,000~10,500マイル分の航空券を買う場合、いくらになるのか?を調べました。
調べ間違いもあるかと思いますが、傾向は変わりませんので、ご容赦ください。
航空券はプランによって金額差があったので、金額が高い『フレックスD』の航空券代です。
シーズン区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
ローシーズン | 55,340円 | 110,680円 |
レギュラーシーズン | 52,810円 | 105,620円 |
ハイシーズン | 55,340円 | 110,680円 |
『フレックス』は、直前予約や予約変更ができたり、取消手数料が安かったりするプランです。
そのため、金額も高く設定されているようです。
では、「マイルの価値 = 航空券の価格 ÷ 必要マイル数」として計算します。
『フレックスD』の金額を、必要なマイル数で割ったデータを紹介します。
シーズン区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
ローシーズン | 7.9円/マイル | 7.9円/マイル |
レギュラーシーズン | 6.2円/マイル | 6.2円/マイル |
ハイシーズン | 5.3円/マイル | 5.3円/マイル |
1マイルの価値が下がるのが、『ハイシーズン』です。
一方、1マイルの価値が上がるのが、『ローシーズン』です。
閑散期に飛行機を使って欲しいからでしょうか?
『ローシーズン』では、1マイルに7.9円の価値があります。
これは、『ハイシーズン』の5.3円の1.5倍です。
次に、金額が低いプランである『スーパーバリュー75K』の航空券代です。
シーズン区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
ローシーズン | 12,360円 | 23,540円 |
レギュラーシーズン | 12,720円 | 26,720円 |
ハイシーズン | 15,360円 | 29,240円 |
『スーパーバリュー』は、予約できる期間が決まっていたり、予約が変更できなかったり、取消手数料が高かったりするプランです。
『スーパーバリュー』になると、『フレックス』より金額は低くなります。
両者を並べて比較します。
シーズン区分 | フレックス | スーパーバリュー | ||
---|---|---|---|---|
片道 | 往復 | 片道 | 往復 | |
ローシーズン | 55,340円 | 110,680円 | 12,460円 | 23,540円 |
レギュラーシーズン | 52,810円 | 105,620円 | 12,720円 | 26,720円 |
ハイシーズン | 55,340円 | 110,680円 | 15,360円 | 29,240円 |
航空券代は、『スーパーバリュー』の方が『フレックス』より断然安いです。
では、『スーパーバリュー』の金額を、必要なマイル数で割ったデータを紹介します。
シーズン区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
ローシーズン | 1.8円/マイル | 1.7円/マイル |
レギュラーシーズン | 1.5円/マイル | 1.6円/マイル |
ハイシーズン | 1.5円/マイル | 1.4円/マイル |
こちらも、1マイルの価値が下がるのが、『ハイシーズン』です。
一方、1マイルの価値が上がるのが、『ローシーズン』です。
1マイルの価値は、1.4円~1.8円になります。
両者を並べて比較します。
シーズン区分 | フレックス | スーパーバリュー | ||
---|---|---|---|---|
片道 | 往復 | 片道 | 往復 | |
ローシーズン | 7.9円/マイル | 7.9円/マイル | 1.8円/マイル | 1.7円/マイル |
レギュラーシーズン | 6.2円/マイル | 6.2円/マイル | 1.5円/マイル | 1.6円/マイル |
ハイシーズン | 5.3円/マイル | 5.3円/マイル | 1.5円/マイル | 1.4円/マイル |
マイルを国内線の特典航空券に交換する場合には、少なくとも1.4円の価値があると言えます。
ANA国際線の特典航空券に交換する場合の1マイルの価値は?
次に、国際線の特典航空券に交換した場合を調べました。
マイルの価値を調べるためのサンプルは、東京~ロンドンに設定しました。
出発日は、先程と同じ日を設定しました。
シーズン区分 | 日程 |
---|---|
ローシーズン | 2025年12月6日(土) |
レギュラーシーズン | 2025年11月15日(土) |
ハイシーズン | 2025年12月27日(土) |
「エコノミークラスの往復」に必要なマイル数は、次の通りです。
シーズン区分 | エコノミークラス |
---|---|
ローシーズン | 45,000マイル |
レギュラーシーズン | 55,000マイル |
ハイシーズン | 78,000マイル |
これらを『Value』プランで購入する金額は、次の通りです。
シーズン区分 | エコノミークラス |
---|---|
ローシーズン | 328,860円 |
レギュラーシーズン | 269,340円 |
ハイシーズン | 393,490円 |
国内線と同様に、航空券代を必要なマイル数で割ります。
シーズン区分 | エコノミークラス |
---|---|
ローシーズン | 7.3円/マイル |
レギュラーシーズン | 4.9円/マイル |
ハイシーズン | 5.0円/マイル |
先程、紹介した国内線の特典航空券に交換した場合の表を再掲します。
シーズン区分 | フレックス | スーパーバリュー | ||
---|---|---|---|---|
片道 | 往復 | 片道 | 往復 | |
ローシーズン | 7.9円/マイル | 7.9円/マイル | 1.8円/マイル | 1.7円/マイル |
レギュラーシーズン | 6.2円/マイル | 6.2円/マイル | 1.5円/マイル | 1.6円/マイル |
ハイシーズン | 5.3円/マイル | 5.3円/マイル | 1.5円/マイル | 1.4円/マイル |
国内線『フレックス』プランが5.3~7.9円ですので、国際線『エコノミー』の5.0~7.3円で同じくらいの価値になります。
次に、贅沢をして「ビジネスクラスの往復」を調べました。
「ビジネスクラスの往復」に必要なマイル数は、次の通りです。
シーズン区分 | ビジネスクラス |
---|---|
ローシーズン | 110,000マイル |
レギュラーシーズン | 115,000マイル |
ハイシーズン | 180,000マイル |
これらを『Classic』プランで購入する金額は、次の通りです。
シーズン区分 | エコノミークラス |
---|---|
ローシーズン | 1,043,210円 |
レギュラーシーズン | 1,043,210円 |
ハイシーズン | 1,163,840円 |
そしてこれまでと同様に、航空券代を必要なマイル数で割ります。
シーズン区分 | エコノミークラス |
---|---|
ローシーズン | 9.5円/マイル |
レギュラーシーズン | 9.1円/マイル |
ハイシーズン | 6.5円/マイル |
先程紹介した「エコノミークラス」の結果と比較します。
シーズン区分 | エコノミークラス | ビジネスクラス |
---|---|---|
ローシーズン | 7.3円/マイル | 9.5円/マイル |
レギュラーシーズン | 4.9円/マイル | 9.1円/マイル |
ハイシーズン | 5.0円/マイル | 6.5円/マイル |
エコノミークラスとビジネスクラスを比較すると、航空券代が高くなるビジネスクラスの方が、1マイルあたりの価値は高くなります。
そして、国際線の特典航空券と交換する場合、1マイルあたり4.9~9.5円の価値があります。
国内線と国際線を比較すると
「国内線」と「国際線」の結果を比較した表を紹介します。
シーズン区分 | 国内線 | 国際線 | ||
---|---|---|---|---|
スーパーバリュー | フレックス | エコノミークラス | ビジネスクラス | |
ローシーズン | 1.7円/マイル | 7.9円/マイル | 7.3円/マイル | 9.5円/マイル |
レギュラーシーズン | 1.6円/マイル | 6.2円/マイル | 4.9円/マイル | 9.1円/マイル |
ハイシーズン | 1.4円/マイル | 5.3円/マイル | 5.0円/マイル | 6.5円/マイル |
国内線は羽田空港~福岡空港、国際線は東京~ロンドンと条件を絞った比較ですので、厳密な比較ではありません。
今回の比較では、国内線のスーパーバリュー < 国際線のエコノミークラス < 国内線のフレックス < 国際線のビジネスクラスとなりました。
これらを合算して考えると、特典航空券に交換する場合、1マイルは1.4~9.5円の価値があると言えます。
使い道2: ANA SKYコインに交換
ANA SKYコインとは…
ANA SKYコインは、ANAウェブサイトを通じて航空券や旅行商品の支払いに利用できる電子クーポンです。
1コイン=1円相当として、10円単位での利用できます。
つまり、マイルをSKYコインに交換し、SKYコインで航空券代にできます。
- 航空券の購入: 国内線・国際線の航空券を購入する
- 旅行商品の支払い: ANAトラベラーズのツアー商品などを支払う
- 燃油サーチャージの支払い: 航空券購入時の燃油サーチャージを支払う
これらはSKYコインで、代金の一部だけ支払うことも可能です。
そのため、SKYコインは、特典航空券の予約が難しい場合や、現金と併用して柔軟に支払いをしたい場合に有効な手段となります。
SKYコインの有効期限は…
またSKYコインの有効期限は、「交換した月から12カ月目の末日まで」となっています。
先程、マイルの有効期限は、獲得してから36ヶ月後=3年後と紹介しました。
つまり、有効期限が来てしまったマイルを、SKYコインに交換することで、1年だけ有効期限を延長できます。
SKYコインに交換する場合の1マイルの価値は?
先程、「1コイン=1円相当として、10円単位での利用できます。」と紹介しました。
しかし、1マイル=1コイン=1円ではありません。
マイルをSKYコインに交換する場合、会員ステータスによって交換率が異なります。
ホームページから次の表を紹介します。
マイル数 | ANAマイレージクラブ | ANAカード(一般・ワイド) AMCモバイルプラス会員 |
ANAゴールド・SFC・プレミアム | ANA上級会員(ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズ) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
交換後コイン | 倍率 | 交換後コイン | 倍率 | 交換後コイン | 倍率 | 交換後コイン | 倍率 | |
1~9,999 | 1~9,999 | 1.0倍 | 1~9,999 | 1.0倍 | 1~9,999 | 1.0倍 | 1~9,999 | 1.0倍 |
10,000 | 12,000 | 1.2倍 | 12,000 | 1.2倍 | 12,000 | 1.2倍 | 13,000 | 1.3倍 |
20,000 | 24,000 | 1.2倍 | 26,000 | 1.3倍 | 26,000 | 1.3倍 | 28,000 | 1.4倍 |
30,000 | 36,000 | 1.2倍 | 42,000 | 1.4倍 | 42,000 | 1.4倍 | 45,000 | 1.5倍 |
40,000 | 48,000 | 1.2倍 | 60,000 | 1.5倍 | 60,000 | 1.5倍 | 64,000 | 1.6倍 |
50,000~200,000 | 60,000~240,000 | 1.2倍 | 75,000~300,000 | 1.5倍 | 80,000~320,000 | 1.6倍 | 85,000~340,000 | 1.7倍 |
左から右になるに従い、ステータスが上がっています。
無料の「ANAマイレージクラブカード」では、1.0~1.2倍です。
つまり1マイルが、1.0~1.2円の価値になります。
ステータスが上がると、倍率も上がる傾向があります。
また、1度に交換するマイルが多くなると、倍率も上がる傾向があります。
最も倍率が高いのが、ダイヤモンドサービス、プラチナサービス、ブロンズサービスメンバーが、50,000マイル以上を交換する1.7倍(1マイル=1.7円)でした。
マイルをSKYコインに交換する場合、1マイルは1.0~1.7円の価値があると言えます。
使い道3: 提携先ポイントと交換
マイルを交換できる提携先は…
マイルは、様々な企業の電子マネーやポイントに交換することもできます。
代表的な提携先としては、スターバックスやヤマダ電機、高島屋などの小売り系企業、JRや私鉄などの鉄道系企業、ピーチ航空などの航空系企業が挙げられます。
また、三井住友カードでは、交換した金額分のキャッシュバック(クレジットカードの支払い)も可能です。
- suica
- メトポ(PASMO)
- TOKYU POINT(東急)
- nimocaポイント
- PiTaPa
- 名鉄ミューズポイント
- はやかけんポイント
- 伊予鉄ICい~カード電子マネー
- 京急プレミアポイント
- JRタワースクエアポイント
- JRキューポ
- Sポイント
- スターバックスカード
- 楽天Edy
- 楽天ポイント
- Vポイント
- nanacoポイント
- ヤマダポイント
- セブンカード
- タカシマヤポイント
- マツキヨココカラポイント
- エムアイポイント
- トラノコポイント
- マリオットボンヴォイ
- ピーチポイント
- AirJapanフライトバウチャー
提携先企業のポイント・電子マネーに交換する場合の1マイルの価値は?
提携先企業のポイントや電子マネーに交換する場合は、10,000マイル=1口単位です。
提携先企業単位ではなく、企業群全体で計算するようです。
同じ年度内の交換で、最初の「10,000マイル=1口目」、「20,000マイル=2口目」の交換は、おおよそ10,000マイル=10,000円です。
ホームページから、次の表を作成しました。
黄色で塗った提携先は、10,000マイルが10,000円未満になっている企業です。
つまり、ほとんどの場合で、1マイルは1.0円の価値だと言えます。
次に「30,000マイル=3口目」からの交換は、おおよそ10,000マイル=5,000円です。
黄色で塗った提携先は、10,000マイルが5,000円未満になっている企業です。
こちらは、1マイルは0.5円の価値と言えます。
これまでを合算すると、提携先企業のポイント・電子マネーと交換する場合、1マイルは0.5~1.0円の価値があると言えます。
まとめ
これまでに紹介した4パターンの結果をまとめます。
- 国内線の特典航空券:1マイル=1.4~1.8円
- 国際線の特典航空券:1マイル=4.9~9.5円
- ANA SKYコイン:1マイル=1.0~1.7円
- 提携先のポイント・電子マネー:1マイル=0.5~1.0円
ANAマイルを効率的に利用するためには、特典航空券への交換が最善のようです。
今回は特典航空券の条件を仮定しているので、時期やプランによって、ズレがあると思います。
参考程度に考えてください。
yas-miki(@yas-miki)