2018年末からサッカー観戦に一眼カメラを持って行くようになりました。
カメラの知識ゼロだった初心者が一眼カメラを使った感想を紹介しました。
スマートフォンのカメラと比べると、撮影できることが増え、サッカー観戦の見え方が変わりました。
しかし荷物が増え、お金がかかるというデメリットがあることは事実です。
過去の自分のように、一眼カメラを検討している方はいらっしゃると思います。
『スマートフォンのカメラでもいいんじゃないか?』という疑問が大きな悩みの1つだと思います。
『一眼カメラとスマートフォンのカメラで、どのくらい写真の違いがあるのか?』、『一眼カメラはできることが増えるのか?』を把握できれば、それにお金を払うか?を決められます。
そこで初心者が一眼カメラとスマートフォンで撮影した写真を紹介します。
サッカー好きのカメラ初心者が撮ってみた写真として、参考になれば幸いです。
Contents
使用した機器
一眼カメラは、2018年末に買ったOLYMPUSの『E-PL8』です。(オリンパスの公式ページへ)
2016年発売のモデルで、自分が買った時は1世代の型落ちでした。
ダブルズームキットを買ったので、『14-42mm』と『40-150mm』の2つのレンズが付いていました。
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- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-42mm F3.5-5.6
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- M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6
オリンパスの一眼カメラでは、エントリーモデルです。
正確な値段は忘れましたが、6万円くらいだったと思います。
スマートフォンは2つ用意しました。
2019年夏まで使っていた『Huawei P10』と2020年3月現在で使っている『Huawei P30』です。
『Huawei P10』は2017年発売のモデル、『Huawei P30』は2019年発売のモデルです。
2つとも発売と同じ年に買って使っているスマートフォンです。
同じく正確な値段を覚えていませんが、『Huawei P10』は6万5000円、『Huawei P30』は8万5000円くらいでした。
『エントリーモデルの一眼カメラ』と『カメラ性能を推しているスマートフォン』の比較になります。
一眼カメラとスマートフォンの画角の違い
一眼カメラとスマートフォンでは、撮影できる画角(ズームできる領域)が異なります。
一眼カメラではレンズが交換でき、撮りたい写真に合わせたレンズを取り付けられます。
スマートフォンでは、ズーム機能で対応することになります。
ズーム機能の違い
カメラのズーム機能は大きく分けて2つ、『光学ズーム』と『デジタルズーム』があります。
『光学ズーム』は、一眼カメラのズームのようにレンズを動かすズームで、画質の劣化がありません。
一方『デジタルズーム』は、写った画像を拡大して切り取るズームで、画質が劣化します。
Huaweiのスマートフォンは、両者の間になる『ハイブリッドズーム』があります。
画質の劣化を抑えたズームとのことです。
Huawei P10の焦点距離
『Huawei P10』は、ハイブリッドズームが2倍まで、デジタルズームが10倍までです。
カメラ用語の35mm換算の焦点距離で表します。(以下も35mm換算の焦点距離で表記します)
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- ハイブリッドズーム: 27-54mm
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- デジタルズーム: 54-270mm
Huawei P30の焦点距離
『Huawei P30』は、ハイブリッドズームが5倍まで、デジタルズームが30倍までです。
また超広角カメラもあり0.6倍まで撮影ができます。
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- ハイブリッドズーム: 16-135mm
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- デジタルズーム: 135-810mm
一眼カメラの焦点距離
ダブルズームキットで付いてきたレンズは、『14-42mmの標準ズームレンズ』と『40-150mmの望遠ズームレンズ』でした。
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- 標準ズームレンズ: 28-84mm
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- 望遠ズームレンズ: 80-300mm
焦点距離(ズーム機能)のまとめ
スマートフォンと一眼カメラの焦点距離を図にしました。
スマートフォンのハイブリッドズームは『青の矢印』、デジタルズームは『緑の矢印』です。
一眼カメラの標準ズームレンズは『オレンジの矢印』、望遠ズームレンズは『紫の矢印』です。
画質を気にせずに写せるデジタルズームの領域を含めると、スマートフォンの方が優れています。
しかし画質の劣化が少ないハイブリッドズームに限ると、一眼カメラの方が範囲が広いです。
また16-28mmの領域は、持っている一眼カメラのレンズでは写せません。
持っている一眼カメラのレンズでは対応できない領域を撮影する機会があるのか?
焦点距離の短い広角域の撮影機会
まずスマートフォンで撮った16mmと一眼カメラで撮った28mmの写真を紹介します。
スマートフォンで撮った16mmの写真です。
一眼カメラで撮った28mmの写真です。
色味や明るさ、端の歪みなど違いはありますが、写せる範囲を比較すると差は明らかです。
スマートフォンで撮った16mmの写真には、両方のゴールが写っています。
対して一眼カメラで撮った28mmの写真には、片方のコーナーフラッグのみです。
スタジアム全体を撮りたいと思う機会は、かなり多いです。
例えば新国立競技場に行った際に、スタジアム全景を撮りたいと思いました。
E-PL8の28mmの画角では、スタジアム全体が収まりませんでした。
同じ場所からHuawei P30の16mmの画角で撮ると、スタジアム全体が余裕で入りました。
一眼カメラで同じような広角の写真を撮ろうとすると、新しいレンズを買う必要があります。
焦点距離の長い望遠域の撮影機会
逆に望遠域を撮影したいと思う機会は少なかったです。
フクダ電子アリーナで月がキレイだった際に、月を撮影しようと思ったくらいです。
E-PL8の150mmで撮影しました。
満月だということは分かりますし、よーく見ると月のクレーターが見えます。
Huawei P30の800mmで撮影しました。
月を大きく写せますし、クレーターも見えます。
ただデジタルズームですので、輪郭があやふやですし、粗い印象になります。
こういう撮影機会が多いか?と言われると、微妙です。
スマートフォンと一眼カメラの画質の違い
次にズームした時の画質について紹介します。
設定を揃えることを忘れています
色々と設定を揃えないとダメだと思いますが、初心者の自分は設定のことを忘れていました。
スマートフォンは推奨されていたサイズ、一眼カメラはLargeサイズの標準画質になっていました。
ピクセルとは、デジタル画像の最小単位のことを指します。
デジタルカメラの性能を表現するのに、よく画素数という指標が使われます。この時に使用される「画素」というのが「ピクセル」を指しています。
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- Huawei P10: 3968ピクセル×2967ピクセル=1200万画素
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- Huawei P30: 3648ピクセル×2736ピクセル=1000万画素
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- E-PL8: 4608×3456ピクセルで、1600万画素
それぞれの機種で撮った写真を、このサイトで普段使っている700ピクセル×525ピクセルに縮小しました。
何も考えずに、スマートフォンと一眼カメラで撮り比べた例として、読んで下さい。
近くの看板を撮ってみた場合
JR蘇我駅からフクダ電子アリーナへ向かう途中の『なかむら』さんの看板を撮ってみました。
スマートフォンの倍率を1倍(=27mmの画角)に設定して撮影しました。
一眼カメラは28mmですので、ほぼ同じ設定です。
まずはHuawei P10の写真です。
続いてHuawei P30の写真です。
最後にE-PL8の写真です。
それぞれの写真で色味が若干違っていますが、画質の良し悪しは感じません。
風景を撮ってみた場合
JR蘇我駅からフクダ電子アリーナへ向かう途中の歩道橋から、JFEスチールさんの工場を撮ってみました。
スマートフォンの倍率を3倍(=81mmの画角)に設定して撮影しました。
一眼カメラは84mmですので、少し違う設定になってしまいました。
まずはHuawei P10です。
デジタルズームの領域ですので、かなり粗い写真になりました。
次にHuawei P30です。
ハイブリッドズームの領域ですので、先程の写真よりキレイに撮れています。
最後にE-PL8です。
自分には、正直Huawei P30のハイブリッドズームと違いは分かりません。
Huawei P30とE-PL8の写真を拡大してみました。
拡大すると、Huawei P30の方が色がくっきりですが、画質が粗いように感じます。
自分には『比べると』という言葉が無ければ、どっちがスマートフォンか?分からないです。
スタジアムのバナーを撮ってみた場合
フクダ電子アリーナのホームゴール裏にあったバナーを、バックスタンド上段の自席から撮ってみました。
一眼カメラで最大限の望遠である300mmの画角です。
その300mmの画角に合わせようとして、スマートフォンの倍率を調整しました。
Huawei P10は、最大の倍率が10倍(=270mm)です。
Huawei P30は、11.3倍(=306mm)の設定になりました。
完全に同じ設定ではありませんが、参考として読んで下さい。
まずはHuawei P10です。
デジタルズームで最大限に寄ったので、画質はかなり粗いです。
続いてHuawei P30です。
デジタルズームの領域ですが、Huawei P10よりキレイな写真です。
Huaweiの進化を感じました。
とは言えデジタルズームですので、文字の輪郭がぼんやりしてきました。
最後にE-PL8です。
一眼カメラは光学ズームですので、文字の輪郭は、はっきりしています。
画質の違いのまとめ
近くのモノを撮る場合には、スマートフォンと一眼カメラの差は感じません。
またHuaweiのスマートフォンで、ハイブリッドズームの領域であれば、一眼カメラと比べて画質の差は、ほとんど無いと感じました。
しかしデジタルズームの領域になると、有意な画質の差が出ます。
ただHuawei P30は、5倍(35mm換算の135mm)までハイブリッドズームです。
風景写真の望遠域であればカバーできる可能性があります。
これまで紹介した写真で画質の違いを感じるのであれば、一眼カメラを買う意味が出てきます。
更にレンズを買い足せば、有意な差が出る領域が広がります。
またサッカー観戦で一眼カメラを使いたい用途によって、望遠レンズが必要な画角であれば、一眼カメラを買う価値があります。
自分の場合、バックスタンド上段から、メインスタンド前の記念撮影を、参考程度に撮ります。
これが絶対必要か?と問われると、正直微妙です。
また性能のいいレンズを買えば、近くのモノを撮っても画質の差が出るかもしれません。
ボケ量の違い
一眼カメラとスマートフォンのカメラの違いとして、『ボケ量』があります。
そこで一眼カメラで背景がボケやすい写真を、スマートフォンで撮るとどうなるのか?紹介します。
風景を撮ってみた場合
JR蘇我駅からフクダ電子アリーナの途中にある『GLOBO』さん前の風車を撮りました。
右下の風車にピントを合わせて撮影しました。
完全に同じ画像ではありませんので、参考程度になります。
まずはHuawei P10の写真です。
背景のボケは無いと言っていいです。
続いてHuawei P30の写真です。
こちらもHuawei P10と大差ないと思います。
最後にE-PL8の写真です。
やはり機種によって、色味や明るさに違いがあります。
背景の建物や木々のボケ量を比較すると、一眼カメラがボケていてキレイに撮れています。
手元のピザを撮ってみた場合
バックスタンド上段の自席で、ピッチを背景に手元のピザを撮りました。
左下のピザにピントを合わせて撮影しました。
ピザに同じだけ近づけることが難しく、写っているピザの大きさに差があります。
完全に同じ画像ではありませんので、参考程度になります。
ピッチ上に引いてあるラインやゴールに注目すると、ボケ量の違いが分かりやすいです。
まずはHuawei P10の写真です。
ペナルティーエリアのラインやゴールが、はっきりと写っています。
続いてHuawei P30の写真です。
ペナルティーエリアのラインはボケて薄くなり、ゴールがあることが分かるくらいです。
最後にE-PL8の写真です。
ペナルティーエリアのラインがさらにボケて薄くなり、どこにゴールがあるのか?分かりにくいです。
ボケ量の違いのまとめ
被写体と背景の距離が遠くなれば、一眼カメラとスマートフォンのカメラの違いが明らかになります。
これはセンサーサイズに依ってボケ量が違うためです。
自分の持っている一眼カメラ『E-PL8』はマイクロフォーサーズ機で、一眼カメラの中では小さいセンサーサイズになります。
また一眼カメラではレンズや設定によってボケ量が変わります。
今回は標準ズームレンズのF3.5で撮影しました。
一眼カメラでは機種やレンズを変えることで、よりボケ量の多い写真になると思います。
写真の撮りやすさ
少し寄り道の話になります。
先程のピザの写真を撮った時に感じたことです。
左手にピザを持ち、右手でカメラを持って撮影しました。
一眼カメラは、ピントを合わせる位置を事前にに決めておけます。
スマートフォンは都度左下をタップして、ピントを合わせていました。
カタログの情報では、Huawei P30は約6.1インチのディスプレイです。
スマートフォンを持ちながら、片手で左下をタップすることが難しかったです。
AIの色味が出せない
Huawei P30は、AIが撮影モードを自動設定できます。
スタジアムで写真を撮ると『青空』というモードになることが多いです。
参考例として、先ほども紹介した新国立競技場で撮った写真です。
良し悪しの判断は分かれると思いますが、空がスゴく青く写ります。
同じ場所からE-PL8で撮った写真です。
画角が違うため正確な比較はできませんが、空を青く撮る設定が分かりませんでした。
自分が一眼カメラを使いこなせていないことが原因ですが、スマートフォンの色合いを出すことができませんでした。
印象に残りやすい写真を『簡単に撮る』という点では、スマートフォンの方がいいと思います。
サッカー観戦で暗所撮影はあまり無い
スマートフォンのカメラと一眼カメラを比べる際に、『暗所性能』を挙げることもあると思います。
しかしサッカー観戦で写真撮影をしていて、『暗所』だと感じた瞬間がほとんどありません。
ミクニワールドスタジアムでの花火イベントやフクダ電子アリーナでの佐藤勇人選手引退セレモニーで、スタジアムの照明が暗くなりました。
それでも照明があるので、『暗所』とは感じませんでした。
参考例として、Huawei P30で撮影した佐藤勇人選手引退セレモニーでの写真を紹介します。
スタンド上段の照明があるので、キレイに撮れています。
これまでで唯一『暗所』だと感じたのは、ミクニワールドスタジアムから小倉駅までの道を撮影した時です。
この時は絞り優先モードで撮影し、シャッタースピードが遅くなったのを感じました。
スマートフォンのカメラは使わなかったので、比較ができません。
この夜道の撮影が必要だったか?と言うと、微妙です。
そのため暗所性能はサッカー観戦では考慮する必要はないと思います。
まとめ
サッカー観戦で一眼カメラを検討する際に悩んだ『スマートフォンのカメラでもいいんじゃないか?』について、買ったばかりの初心者が撮った写真を紹介しました。
『エントリーモデルの一眼カメラ』と『カメラ性能を売りにしているスマートフォン』で比較しました。
光学ズームでは一眼カメラ、デジタルズームを使えばスマートフォンの方が撮影できる画角領域が広いです。
Huaweiのハイブリッドズームであれば、光学ズームと画質で差は非常に少ないです。
しかしデジタルズームでは、画質に大きな差が出ます。
背景のボケ量で比較すると、一眼カメラがとても優れています。
一眼カメラは撮影のしやすさに優れていますが、印象的な写真を『簡単に』撮ることはスマートフォンが優れています。
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- 望遠でキレイな写真を撮りたい場合は、一眼カメラが必要です。
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- 背景がボケた写真を撮りたい場合も、一眼カメラが必要です。
これまで紹介した写真の差に一眼カメラの金額分の価値を見出せるか?は、判断が分かれると思います。
一眼カメラを使った個人的な感想は、カメラで撮影するという体験は予想以上に楽しいです。
yas-miki(@yas-miki)