2020 DAZN年間視聴パスが発売された時に、各クラブの特典を比較した記事を書きました。
クラブによって、特典金額や入手方法、使用場所に大きな違いがあり、とても興味深ったです。
個人的には、鹿島アントラーズが一番ファンに優しいと思いました。
2020年11月になり、Jリーグの各クラブがDAZN年間視聴パスを発売するようになりました。
何か変化があるかな?と思い、Jリーグ全クラブの比較をしました。
結論から言うと、特典の考え方に変化がありました。
Contents
2020DAZN年間視聴パスのおさらい
前回も全クラブのホームページを調べて、特典金額や入手方法を調べました。
大まかに調べたのは、5項目です。
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- 特典金額
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- 特典の対象品(グッズやチケット、飲食売店)
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- 特典を使える場所(オンライン、スタジアム)
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- 年間視聴パスを購入できる場所(Jリーグオンラインショップ、自クラブオンラインショップ、スタジアム、オフィシャルショップ、その他)
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- リリース日
特典金額は2,000円が相場ですが、FC東京やFC岐阜、愛媛FCは、その倍の4,000円でした。
特典の対象品はグッズが圧倒的に多かったですが、クラブ外に利害関係者が出るスタジアムグルメでも使えるクラブもありました。
どちらかと言うと、オンラインショップで特典を使える場合よりも、スタジアムで特典を使える場合の方が多く感じました。
ほぼ全てのクラブが、オンラインと現地(ホームタウン)に購入場所を設置していましたが、現地でしか購入できない柏レイソルが異端に見えました。
Jリーグの全クラブが同じ商品を販売するので、情報リリース日は固まっていました。
しかしクラブが情報リリースしていなくても、Jリーグオンラインショップが勝手に?売ってくれている場合もあり、ECプラットフォームパートナー楽天のありがたみを感じました。
様々な指標で特典を調べると、鹿島アントラーズが一番良いと感じました。
DAZN年間視聴パスとは
JリーグのオフィシャルブロードキャスティングパートナーであるDAZNの視聴料に関する商品です。
DAZN年間視聴パスとは、年間(12ヶ月)のDAZN視聴料を一括で販売しているものです。
シーズンシートと同様に、『まとめ買いするなら安くするよ』という商品です。
DAZNは、Jリーグに限らず、海外サッカーやF1、プロ野球など、他のスポーツも見られるのも大きなメリットです。
個人的には、サッカーよりもアメリカンフットボールを観る回数の方が多いです。
年間視聴パスを購入すると、カードが送られてきて、カードに記載されているコードを登録するようです。
J1のクラブはカードにクラブのエンブレムが印刷されますが、J2とJ3のクラブはJリーグのエンブレムで統一されているようです。
またコードがメール送付で完結するデジタル版を販売しているクラブもあります。
購入した年間視聴パスの一部は、クラブに還元される仕組みになっています。
ファンからすると、毎月支払うより安くDAZNを視聴でき、クラブを応援できるメリットがあります。
クラブから見たシーズンシートの位置付けについて、引用します。
ホームゲームの観戦を欠かせないサポーターにとってはありがたいシステムで、リーグ戦開幕前にまとまった金額が銀行口座に入ることは経営の安定化につながる。
DAZN年間視聴パスも冬季に販売する商品なので、試合がない冬場の収入として重宝しているのかな?と勝手に想像しています。
DAZN年間視聴パスの金額はどのクラブも同じですが、異なる特典を付けているので、その特典を比較します。
DAZN年間視聴パスは安くなった
2021年の年間視聴パスは、2020年より値下げしていました。
最初は気づかなかったのですが、セレッソ大阪のホームページを読んでいて『昨年よりお求めやすい値段』と書いていました。
2020年の年間視聴パスは、21,157円(税込み)で、11ヶ月分の視聴料に相当するようです。
2021年の年間視聴パスは、19,250円(税込み)で、10ヶ月分の視聴料に相当するようです。
1ヶ月分値下げしたことは、ファンに大きなメリットになるはずですが、宣伝しているクラブは少ない印象でした。
値下げしたことを明記していたのは、7クラブでした。
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- 柏レイソル: 例年よりもさらに1か月分お得に!
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- セレッソ大阪: 昨年よりお求めやすい値段
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- 大宮アルディージャ: 2020シーズンより1,750円(税抜)もお安くなってお求めやすく!
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- ツエーゲン金沢: 今年は、さらに価格が1ヶ月分お安くなりお得なプランとなっています。
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- アスルクラロ沼津: 例年よりもさらに1か月分お得に!
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- FC岐阜: 例年よりもさらに1か月分お得に!
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- FC今治: 例年よりもさらに1か月分お得に!
FC今治が販売するのは初めてだと思うので、『例年よりもさらに1か月分お得に!』は、DAZN?Jリーグ?が作った謳い文句のコピペでしょう。
2020年にも、コピペと思われる記述がありましたし…
特典の調べ方
前回同様に、各クラブの公式サイトにある『お知らせ』や『NEWS』を確認しました。
その中で2021年間視聴パスについて、『発売開始』のお知らせページの情報を確認しました。
2020年の年間視聴パスでもあった、『お知らせ』をリリースがない場合は、オンラインショップも調べました。
これらのサイトから、特典金額や対象品、使える場所などを調べました。
大まかに調べたのは、先ほども紹介した5項目です。
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- 特典金額
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- 特典の対象品(グッズやチケット、飲食売店)
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- 特典を使える場所(オンライン、スタジアム)
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- 年間視聴パスを購入できる場所(Jリーグオンラインショップ、自クラブオンラインショップ、スタジアム、オフィシャルショップ、その他)
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- リリース日
『特典を使える場所』や『年間視聴パスを購入できる場所』は、各クラブの現地ショップの扱いが分からないので、まとめて『オフィシャルショップ』としました。
その他、クラブのポイント制度などは分からないので、ご容赦下さい。
DAZN年間視聴パスの特典金額比較
特典金額0円がスタンダードに!
2020年の年間視聴パスには、全クラブが最低2,000円分の特典を付けていました。
2021年の年間視聴パスでは、特典を0円にしたクラブが多かったです。
2020年と2021年の特典金額を比較します。
水色: 特典金額は0円ではないものの2020年より金額が減ったクラブ
黄色: 特典金額が2020年と同じクラブ
赤色: 特典金額が2020年より増えたクラブ
ヴィッセル神戸: 現地のグッズショップで購入した場合の特典1,000円(オンライン販売だと0円)
福島ユナイテッドFC: スタジアムのグッズショップで購入した場合の特典2,000円(オンライン販売だと0円)
また参考として『Jリーグ』年間視聴パスの特典は、楽天ポイントで1,000ポイントです。
前年比較ができる55クラブの内、『減額』が39クラブ、『金額維持』が15クラブ、『増額』が1クラブでした。
特筆すべきは、唯一増額したアルビレックス新潟と特典金額4,000円を維持した愛媛FCだと思います。
アルビレックス新潟の特典金額は、2,000円から3,000円と、1,000円増えていました。
また購入経路によって、パターンが分かれていました。
- 年間視聴パス単体の購入の場合は、3,000円のクーポン券
- ユニフォームとセットで購入の場合は、3,000円割引
- シーズンパスとセットで購入の場合は、3,000円割引
どのパターンでも、3,000円の特典が付くのは変わりません。
ユニフォームやシーズンシートとセットで購入してもらった方が、クラブに入る金額が多くなるからなのか?上手い戦略だと思います。
また多くのクラブが特典金額0円としている中で、破格の4,000円を維持した愛媛FCもスゴいです。
さらにスタジアムのグッズショップで購入すると、『オ~レカフェ』なるスタジアムグルメの500円割引のクーポンが付いてくるようです。
2020年と同様に、特典を受けられる場所がスタジアムに限定されてしまいますが、ファンに優しいクラブと言えるでしょう。
減額するクラブが増えた要因の一つは、年間視聴パスの価格が、21,157円(税込み)から19,250円(税込み)と、1,907円安くなったことでしょう。
『年間視聴パスの価格が下がる』=『クラブが受け取る金額が下がる』なので、2020年と同額の特典を付けることが難しくなります。
また2020年シーズンはコロナウイルス影響でリーグ全体の収益が落ちているので、特典を付ける体力が無いという見方もできるかもしれません。
お客さん側からすると、昨年まではクーポンで割り引いてもらった金額を、現金で割り引いてもらった結果とも言えます。
J2のクラブに金額維持が多い
カテゴリー別の金額推移を算出しました。
その中で、J2のクラブに『金額維持』が多いのが意外に感じました。
金額減となったクラブの割合を算出しました。
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- J1: 15/18クラブ(=83.3%)
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- J2: 13/22(=59.1%)
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- J3: 11/15(=73.3%)
また特に経営が厳しいという報道が多いサガン鳥栖や東京ヴェルディも金額維持しています。
この年間視聴パスの特典金額は、ファンを繋ぎとめる経営努力なのかな?と思います。
特典金額が減っていることを明記しているクラブは少ない
また特典金額を減額していることを明記していたのは、2クラブだけでした。
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- セレッソ大阪: 昨年度の購入特典であった2,000円クーポンは、今回はございません。予めご了承のほどお願いいたします。
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- ロアッソ熊本: 昨年まで年間視聴パス購入特典として付いておりましたグッズ割引券は付きませんので、予めご了承ください。
各クラブのファンからすると、当たり前の事実なのかもしれませんが、しっかり明記するのは誠実に映りました。
減額の代わりに増えたグッズ
年間視聴パス自体が安くなったとは言え、『何も特典が無いのは…』と考えたのか?抽選や先着のグッズを付けるクラブが増えました。
先程の表で『+α』と記載したのが、グッズ特典有りのクラブです。
2020年にグッズを付けていたのは、柏レイソルと藤枝MYFCの2クラブでした。
2021年にグッズを付けたのは、19クラブに増えました。
全員プレゼントや先着○○名、抽選○○名とパターンが多く、特典のグッズも様々なので、場合分けができませんでした。
DAZN年間視聴パスの特典対象品比較
特典対象はグッズが基本
では特典は何で割り引かれるのか?
特典の対象を、『グッズ』、『チケット』、『飲食売店』に大きく分けました。
特典はグッズを対象にしているクラブが基本で、これは2020年と大きく変わりませんでした。
名古屋グランパスが、スタジアムの飲食売店でも使えるようになったくらいだと思います。
明確にグッズ以外の使い道を示したのは、3クラブでした。
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- 名古屋グランパス: グッズ/飲食売店
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- 大宮アルディージャ: グッズ/チケット/飲食売店
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- 徳島ヴォルティス: グッズ/チケット
アルビレックス新潟と鹿児島ユナイテッドFCは、何に使えるのか?不明ですが、複数の使い道があるのかもしれません。
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- アルビレックス新潟: ホームゲーム会場などでご利用いただける3,000円分のクーポン券
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- 鹿児島ユナイテッドFC: スタジアムで使える2000円OFFクーポン
オンラインと現地で特典が使えるのは3クラブのみ
次に特典を使える場所についても調べました。
現地のオフィシャルショップやスタジアム内で使えるクラブが多いですが、遠方のファンには使いにくいです。
自分を振り返っても、東京に住みながら、大阪にあるパナソニックスタジアム吹田には1回しか行っていません。
『アウェーはDAZN』という謳い文句があるので、ホームタウンに住むファンを基本に考えているように思います。
そう考えると、『オンラインでも使える』のは非常にありがたいサービスです。
特典を使える場所を、『オンライン』と『現地』に大きく分けました。
オンラインストアは、『Jリーグのオンラインストア』と『自クラブのオンラインストア』に分かれました。
また現地は、ホームタウンにある『オフィシャルショップ』と『スタジアム』に分かれました。
『オンラインで使える』は水色、『現地で使える』はオレンジ色です。
『オンライン』と『現地』の両方で使えるのは、横浜Fマリノス、名古屋グランパス、栃木SCの3クラブでした。
特典の対象品と使える場所にフォーカスすると、名古屋グランパスが選択肢が多いように感じます。
DAZN年間視聴パスを購入できる場所
年間視聴パスを購入できる場所についても調べました。
『オンライン』で買えるパターンと『現地』で買えるパターンがありました。
『オンラインで買える』は水色、『現地で買える』はオレンジです。
2020年の特典を調べた際にもオンラインを活用するクラブがほとんどでした。
唯一オンラインで購入できなかった柏レイソルがオンラインに対応しましたが、FC今治はオンライン非対応でした。
全クラブがオンライン対応になるまで、もう少しのようです。
2020年に引き続き、販売システムは『Jリーグ公式オンラインストア』と『自クラブのオンラインストア』が多いです。
それ以外のシステムは、2つでした。
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- Jリーグチケット: 名古屋グランパス、セレッソ大阪
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- 楽天チケット: ヴィッセル神戸
2020年は『チケットぴあ』を利用していた大分トリニータは、『Jリーグ公式オンラインストア』に移行していました。
複数のオンラインストア併用が進む
2020年では、オンラインで購入する際に複数の販路を用意したのは、2クラブでした。
ベガルタ仙台: Jリーグ公式オンラインストア + 自クラブのオンラインストア
ヴィッセル神戸: Jリーグ公式オンラインストア + 楽天チケット
なんとなく自前のオンラインストアの方が儲かるのかな?と思いますが、複数の販路を用意することは良いことでしょう。
2021年は、その流れが加速しました。
複数のシステムを用意したクラブが、9クラブに増えました。
(ベガルタ仙台は、Jリーグ公式オンラインストアのみになりました)
括弧書き・太字が、2021年から導入したシステムです。
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- 湘南ベルマーレ: Jリーグ公式オンラインストア + (自クラブのオンラインストア)
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- ヴィッセル神戸: Jリーグ公式オンラインストア + 楽天チケット
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- ザスパクサツ群馬: Jリーグ公式オンラインストア + (自クラブのオンラインストア)
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- ジェフ千葉: Jリーグ公式オンラインストア + (自クラブのオンラインストア)
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- レノファ山口: (Jリーグ公式オンラインストア) + 自クラブのオンラインストア
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- 徳島ヴォルティス: (Jリーグ公式オンラインストア) + 自クラブのオンラインストア
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- 愛媛FC: (Jリーグ公式オンラインストア) + 自クラブのオンラインストア
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- ヴァンラーレ八戸: Jリーグ公式オンラインストア + (自クラブのオンラインストア)
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- 福島ユナイテッドFC: (Jリーグ公式オンラインストア) + 自クラブのオンラインストア
新たに導入したシステムは、Jリーグ公式オンラインストアと自クラブのオンラインストアで、ちょうど半々でしたので、傾向を掴むことはできませんでした。
リリース日
リリース日とURLを一覧にまとめました。
リリース日の最速は10月27日でした。
11月6日までの11日間に46クラブがリリースしています。
柏レイソルが少し遅れて11月19日にリリースしています。
おそらく新型コロナウイルス感染者の対応で手一杯だった、またはリリースしにくかったのだと想像しています。
また12月に入ってリリースしたのは、アビスパ福岡、FC琉球、FC今治の3クラブでした。
何か戦略があってのリリースだったのか?担当者の対応が遅れただけなのか?
その他
ECプラットフォームパートナー楽天のありがたさ
前回の調査した際にも、クラブはリリースしていなくても、Jリーグ公式オンラインストアで年間視聴パスが販売していたことがありました。(リリースを見落としているだけかもしれませんが…)
2020年は2クラブだけでしたが、2021年はギラヴァンツ北九州、いわてグルージャ盛岡、ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFCの4クラブに増えました。
12月入ってからリリースしたアビスパ福岡も、11月中からJリーグ公式オンラインストアで販売していました。
またFC琉球のリリースには、Jリーグ公式オンラインストアで販売している文言はありませんが、実際には販売しています。
年間視聴パスは、各クラブが横並びで販売している商品ですので、勝手に?対応してくれるのは、ありがたいシステムだと感じました。
各クラブの条件に合わせた対応もしているので、クラブの負担を減らしていると思います。
サンプル画像の金額表示
多くのクラブのリリースには、サンプルの画像が載っています。
その画像内に金額を記載しているクラブと、記載していないクラブがあります。
なぜか?ヴィッセル神戸の画像だけ、金額が『税抜き』でした。
ノエビアスタジアムの画像を使っているので、クラブがオリジナルで作成したのだと思いますが、独自路線で気になりました。
見た目の金額を抑える戦略なのか?とも思いました。
まとめ
2021年DAZN年間視聴パスの特典について、Jリーグ全クラブの比較をしました。
2020年と比較すると、年間視聴パス自体の金額が下がった影響からか?コロナウイルス影響なのか?特典金額は、大きく下がりました。
多くのクラブが特典金額を0円とする中では、特典金額を上げたアルビレックス新潟、4,000円の特典を維持した愛媛FCが目立ちました。
またオンラインでの販売を強化するためだと思いますが、複数のオンラインシステムを使用するクラブが増えました。
前回に引き続き、ECプラットフォームパートナー楽天のありがたみが感じられました。
今回は、ファンに優しいクラブの結論を出せないと思います。
yas-miki(@yas-miki)