私事だが、最近kindleを買って、本を探していたら見つけた
2012年の本ですでに読んでいた本だけど、
売ってしまって手元になかったので、手にとった
新書なので、世間一般のサッカー好きに向けて書かれている
ポジションごとに注目ポイントが書かれているので、
試合を観るときの着目点は網羅されているように感じる
大まかなポイントから、細かなディテールまで紹介されていて、
この本に書かれていることを全てチェックできれば、
立派なサッカー通になれる
代表選手を例に挙げて、ポイントを紹介しているので、
誰でも内容に入っていける
ハイライトは、ピッチのゾーン分けだろう
一般にはピッチを縦に3分割して、
ディフェンディングゾーン
ミッドフィールド
アタッキングゾーン
と呼んでいる
yas-mikiもそういう認識で観ている
それに対してこの本では、
ピッチを縦に4分割して観る方法を提案している
そのゾーン分けは均等に4分割ではなく、
選手ならではの感覚で語られている
詳細は実際に読んで欲しいが、
このゾーン分けはサッカーを観戦する参考になる
【観戦術】というタイトルだけあって、現地観戦の参考になる記述が多い
ボールを持っている2分より、ボールを持っていない88分の動きにこそ、選手の真価が問われるのです。
このボールを持っていない88分は、テレビでは映りにくい
FWであれば、最終ラインと駆け引きして、ボールを受ける動き、
中盤であればパスコースを作る・切る動き、
DFであればオフサイドラインを作る動きといった感じだろう
他にもたくさんの仕事があり、ボールのない所での戦いも面白い
この88分を重視する考えは様々な本で紹介されている
この本でも、
優れたセンターバック、ディフェンスリーダーは、それこそ1試合90分のうち、ボールに触れていない88分間、ずっとしゃべり続けているくらい「おしゃべり」だといえるかもしれない。
と紹介している。
常にコーチングしてディフェンス組織の修正をするセンターバックこそ、
優れた選手だという考えである。
これは現役時代センターバックだった宮本さんだからこそ、
重みのある言葉だった
この本で優れたセンターバックとして紹介されている秋田さんも、
さらに重要なのが、声を出してまわりを動かせる選手の存在だ。チームの狙いどおりに網にかけるには、周囲の選手のバランスを微調整する必要がある。そのためには声を出して、まわりを動かせなければ守備のフィルターはかからない。
と著書の中で主張している。
また元日本代表GKの小島さんも、
コーチングによってディフェンス陣がいい準備ができれば、ディフェンス組織は強固なものとなり、それはそのままゴールキーパーが実際に体を動かしてプレーする時間を減少させることにつながる。
と著書の中で主張している。
小島さんの著書のタイトルは、
【GKの優劣な、ボールに触れない『89分間』で決まる】
ボールのない時間を重視するという考えがタイトルになっている
この89分間はテレビには映らず、現地でないと観られないが、
コーチングは、歓声にかき消されて聞こえない
それでも何か話しているなと思ったら、
ポジションの修正をしていると思っていいし、
それを88分、89分やっている選手が優れているという主張は一貫している
それを見極められる観戦者になりたいと思う
またサッカーの観戦術として、
試合中の6割か7割はボールの動きを観て、残りの3割はボールのないところを観る。そう心がけるだけで、サッカーの試合を観る楽しみはぐっと増すはずです。
と紹介している
yas-mikiも現地観戦をオススメする理由として、
ボールがない所を観られることを挙げている
テレビには映らない所にもサッカーの楽しみ、奥深さが凝縮されている
それを観られるようになりたいし、
それを練習するためには、スタジアムに行くことが近道だと思っている
リプレーがあって、録画なら巻き戻しもできるテレビ観戦もいいし、
レベルの高い海外サッカーはテレビでないと観られない
それでも現地観戦によって得られる見識は、
それを上回るのかなと感じている
残り3割を観ることについて、
ボールのないところを観ることは、その選手(ボールを持っている選手)と同じように、観客も多くの選択肢を持つことになります。
と紹介している
この選択肢を持つことは、サッカー観戦の楽しみだと思う
1手先を読みながらボールを追うと、選手の考えがよく分かる
本当は2手先、3手先が読めればいいのだけど、
現状はそれができないのが歯がゆい
それでも選手と同じ選択肢を持って、
どのプレーが最適か?考えて観ていると楽しいのは間違いない
「あ~、それはイカン」とか、「そっちか、面白い」とか
リアクションを頭で取りながら観られれば、サッカー通の仲間入りかと思う
その3割はやはりスタジアムに行かないと観られない
Jリーグならではの観所として、
スタジアムの環境面の充実(ピッチコンディションの良さ、清潔さ、禁煙化、安全性など)においては世界に誇れるものがあります。
と紹介している。
世界の中でも観戦者に優しい環境が用意されていると思うと、
観戦者として嬉しいし、この強みは年々強化されていると感じる
『サッカー観戦をする一日の経験を売る』という感覚が徹底されていて、
ピッチ外の充実は素晴らしいと思う
それは最近行ったJ3でも徹底されていて感動した
町田市立陸上競技場の歩き方 J3 2015年8月2日 カターレ富山@FC町田ゼルビア
ギオンスタジアムの歩き方 J3 2015年8月9日 FC町田ゼルビア@SC相模原
少しでも興味を持ってもらえれば、近くのスタジアムに行って欲しい
このブログでは、スタジアム観戦の参考になればと思って、
スタジアムの紹介や試合の感想を書いているが、
それを支えてくれる言葉があったので、紹介する
サッカー界のさらなる発展のためには、サッカーに関わるすべての人が使命感を持ち、この国のサッカー文化を高めるために行動することが必要です。
まだまだスポーツ文化としては野球に追いついていないし、
一般の興味は代表戦のみで、Jリーグには向いていないのが現状だろう
それでも少しでもサッカーを、Jリーグを愛する同志が増えてくれることを願っている
細かい本の内容は飛ばして、簡単な紹介に終わってしまったが、
読めば勉強になるディテールが満載で楽しい本だった
yas-miki
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