5月17日のツエーゲン金沢@ジェフ千葉から見た
ツエーゲン金沢好調の理由を考えてみた
考えた結果を書いてしまうと、
「勇気をもった守備」と「程良いポゼッションサッカー」
が挙げられる
金沢は14節が終わった時点で、8勝2敗4引き分けで勝ち点28をたたき出し、
3位につけている
J2の上位は混戦模様とは言っても、
序盤のサプライズチームになっている
さすがにJ2の興味の薄いチームの試合を観るほど、
時間もないので、金沢は初観戦となった
試合を見ていないので、確たる証拠はないが、
C大阪、大宮、千葉とJ2では力のあるチームとの対戦もして、
この順位なので、フロックではなさそうに感じていた
好調とは言っても、J3から上がってきたばかり、
堅守速攻のチームでしょ?とか思っていた
特筆すべきはJ2最少の8失点だろう
結果だけを見た戦前の予想は、
全体が引きこもって、攻撃をはね返す守備かな?と思っていた
試合が始まると、
確かに全員の守備意識は高く、帰陣は早い
金沢の最終ライン設定は、高くもなく、低くもなくだった
ネームバリューの低い選手が多い金沢なので、
個々の能力が、すごく高いということはないだろう
(むしろ低いと考えた方がいいかもしれない)
それを考えると、最終ライン設定を下げずに、
ブロックを作ることは、勇気がいることだと思う
すぐに4-4-2のブロックを作って、
前から少しずつパスコースを限定し、
千葉に効果的な縦パスを入れさせないようにしていた
ピッチ横幅を4人で守るにあたって、
90分間100%バイタルを閉めることは、不可能だ
それでも千葉の縦パスの受け手である前の4人(1トップ+3MF)に入る
縦パスへの寄せは早かった
球際も勇気をもって強く、粘り強く寄せていた
(千葉が球際に強いチームとも思わないが…)
見方によっては、金沢が4-4で作ったブロックの中に、
千葉の前4人が縦パスを受けようとしていた
これではなかなか縦パスを受けられないだろう
千葉の前の選手がしびれを切らして、
低い位置へ下がってボールを触るシーンもあった
仮に個々の能力が劣っていても、
勇気をもって最終ライン設定を下げずに、
勇気をもってボールに寄せる
これはJ1で旋風を起こした時の大宮を思い出せた
この日はクロスバーに助けられたシーンがあったが、
金沢の選手が頑張ったご褒美だったかもしれない
4-4-2のラインを組織的作って、
10人がハードワークすることを続けられれば、
守備が大崩れすることは、考えにくいと感じた
夏場をどう乗り切るのか?
金沢が上位をキープするには、重要なテーマだと思う
少し千葉のことに触れると、
この日はスタメンを入れ替えて戦っていた
気になったのは、右サイドの攻撃だった
金井、田代の右サイドは、
何をしていたのか?分からない程だった
田代にボールが回っても、縦に入れることなく、
後ろに返すだけ…
明らかにノッキングしていた
金沢の守備の上手さもあるが、ボールを引き出して、
チャンスを作れるイメージは生まれなかった
ゲーム展開が速くなり、体力勝負になってしまうが、
最終ラインの裏をシンプルに狙っても、よかったと感じた
金沢の攻撃に眼を移せば、
意外にもポゼッションするスタイルだった
ネットの記事を読むと、
セットプレーや速攻からのゴールが多いらしいが、
この日はそんなイメージではなかった
後ろは2人のCBとダブルボランチの4人で、ゲームを作る
その間に両サイドのSBを上げて、
ボールの受け手を6人にしていた
上から見ていた印象では、
1トップと5人のMFという感じだった
千葉は4-4-2のブロックを作って守る
ピッチの横幅を考え、4人で守ると5つのギャップができる
金沢はそこに1人ずつ配置しているように見えた
千葉のプレスのかけ始めが低いこともあって、
後ろのパスは余裕だった
金沢の前の6人も、ギャップに入って受けようとして、
縦ポンではなかった
意外と言うと失礼になるが、技術の高い選手が多かったように見えた
トップスコアラーの清原に注目していたが、
守備はサイドで頑張り、攻撃は中に入ってくる
ゴールへ向かう縦の動き
ボールを持って中へ切れ込む動きが
印象に残った
前評判ありきの評価になってしまうが、
特にドリブルを始めると、ゴールのにおいがした
先制点を獲ってから千葉が守りに入ったこともあり、
終盤は押し込む展開が多かった
追いかける展開でも、しっかり繋いで攻めていたし、
千葉のブロックを押し下げることに成功していた
同点ゴールはそんな展開からのゴールなので、
偶然のゴールではなかったと思う
先制してから4-1-4-1にフォーメーションを変え、
受けに回った千葉も悪いという見方もできる
あれだけブロックを下げたら、
前にポイントはできず、カウンターも難しい
それでも金沢が頑張った感が強いと思った
無理して繋いでカウンターを食らうこともなく、
後ろで繋げないなら、素直にロングボール、
後ろで繋げるなら、ポゼッション
という割り切りが良かったと感じた
湘南や松本といった前から積極的にプレスというチームが
今年のJ2には少ないので、
金沢も自分たちの時間を作ることは難しくないはずだ
自分たちでボールを動かす時間が増えれば、
守備に忙殺される時間も減る
ある程度ポゼッションをすることは、
金沢が上位戦線に生き残る必要手段なのだろう
無理に繋ぎ過ぎてカウンターのリスクを回避できれば、
勝ち点を積み重ねられるだろう
いつも観ている千葉を通して、金沢を観ることになったが、
選手のネームバリューが低いだけで、
とてもいいチームに見えた
次に観る機会があるか?分からないけど、
シーズン通して、台風の目になりそうな予感がした
yas-miki