記録を残すのを忘れていたので、かなり古い記事です
GWに駒沢公園で開催された
【2017東京国際ユース(U-14)サッカー大会】に行ってきました
入場無料で、世界のサッカーを観られるので、
3日間の駒沢通いになりました
きっかけは、味の素スタジアムに東京ヴェルディを観に行った時に、
大会のクリアファイルを頂いたことです
「東京ヴェルディも参戦するので、みなさん来てください」ということです
観戦した試合
5月3日
茨城県トレセン選抜 vs ソウル(韓国)
東京ヴェルディ vs コリンチャンス(ブラジル)
Jリーグ選抜 vs ニューサウスウェールズ(オーストラリア)
5月4日
ボカジュニアーズ(アルゼンチン) vs パリFC(フランス)
FC東京 vs ジャカルタ(インドネシア)
5月6日
東京都トレセン選抜 vs ベルリン(ドイツ)
FC東京 vs ボカジュニアーズ(アルゼンチン)
U-14とは言え、日本サッカーと世界の対比を観たかったので、
日本 vs 海外になる試合を中心にしました
サッカーの情報を集めていると、世界との比較をよく見ますが、
同意できること、できないことがありました
チーム編成の事情が分からず、
急造のチーム、普段から活動しているチームがあるので、
単純な比較はできませんが、簡単に感想を残します
世界的な名門であるボカやコリンチャンスですが、
特別なことはしていません
むしろ日本のチームの方が、戦術的には高度なことをしているように感じました
その反面、海外の選手は個性が強いです
この指摘は、よく見ますが、
U-14世代でも、はっきり分かりました
フィジカルの特色は
日本の選手は、均一な体格をしていて、
海外の選手の方が、極端に大きな選手、小さな選手がいます
また海外の選手の方が、厚みがあります
日本の選手を見ていると、
【速い】選手が、目立ちますが、
【高い】、【強い】に特長がある選手が、非常に少ないです
おそらくトップやCBに、そう言った選手を配置していますが、
そこが特長だとは感じません
逆に海外の選手は、【速い】より【強い】選手が多いです
フィジカルコンタクトであったり、
無理ができる体幹の強さであったりです
ボールや相手との間合いが近いこともあって、
体を当てることを嫌がらずに、強さでも勝負します
特にコリンチャンスの選手が、強さを感じました
同じ年代でも、骨格が太く、筋肉が厚いです
U-14だと、筋トレなどで体を大きくすることに主眼を置いていないと思うので、
先天的な部分が大きいはずです
将来に渡って、この差を埋めるには、かなりの努力が必要だと思います
サッカーでは、攻撃側がある程度のイニシアティブを握っているので、
守備の機会が多い、最終ラインは、相手の得意分野で戦わなければなりません
それを考えると、
先天的に体の大きな選手を配置せざるを得ないことを実感しました
逆に日本のチームは、細かくステップを踏んで、準備できる選手が多くて、
反応する1歩目、密集を抜けるスピードが速いです
また、少年サッカーでも【体の向き】を意識させることが多いので、
ボールと相手選手に対して、適切な角度でアプローチできることも特長です
(フィジカルとは少し離れるかもです)
フィジカルに於いては、よく指摘されていることを、
自分の眼で確認した印象が強いです
テクニックの特色は
日本の選手の方が、技術が高い・上手いと言われますが、
プレーの選択が違うように感じました
特にファーストタッチが違います
日本の選手は、
ボール来た方向から遠い方のインサイドでコントロールします
もちろんシチュエーションで変わってきますが、
最終ラインでも、トップでも、時間・スペースの余裕があれば、
遠い方のインサイドです
その方がコントロールしやすいですし、
次のプレーに移りやすいです
自分もそう言われてプレーしていましたし、
それが正しいと思っていました
海外の選手を観ると、足の裏を使う回数が多いです
フットサルで使われるような技術でコントロールしています
足の裏を使うと、絶対にボールが足下に収まり、
ファーストタッチを狙われないメリットがあります
足下で止まるので、背後の相手に対して、自分の体が入り、
トラップをさらわれる回数が減ります
比較的スペースに余裕がないセンターラインの選手はもちろん、
サイドの選手も、足の裏を使うファーストタッチが印象に残りました
そのプレーを選択する背景には、
スペースを探す動きがあるかな?と思います
日本の選手は、スペースを探す意識が高く、上手いです
相手がいないスペースで受ける回数が増えるので、
次のプレーにつなげやすいインサイドで収める傾向にあります
逆に海外の選手は、どっしり構えていて、
相手選手から離れるプレーが少ないです
意表を突いて、消えるプレーはありますが、
離れるプレーが少ない印象です
そのため多少相手のプレスがかかっても、
気にしていないように映ります
ファーストタッチで相手がいる回数が多いので、
足下でボールを収める傾向にあります
前述した体の厚みがあるので、確実にマイボールになります
インサイドで収める方がキレイに見えるので、
技術が高いように感じるのかな?と思いました
基本技術には大きな差はなく、選択するプレーに違いがある
という感想です
メンタルの特色は
【自己主張の強さ】が一番大きな違いです
対戦相手への戦う意識はもちろんですが、
仲間への要求、審判へのアピールも大きく違います
U-14年代ですが、一人前の主張をします
テレビやスタジアムで、
プロの試合を観ているような感覚になります
同じアジアの選手には、そう言った印象を受けませんでしたが、
ヨーロッパの選手も、南米の選手も、オーストラリアの選手も、
自己主張が強いです
いいことではありませんが、
ボカ vs パリは乱闘寸前になりました
コンタクトが激しくなり、
審判がファールを取らなかったことで、エキサイトしてしまいました
【目の前の相手に負けない】という意識からスタートした、
一連のプレーでした
以前クラブW杯で、コリンチャンス vs チェルシーを観戦しましたが、
コリンチャンスの選手から、同じ空気を感じました
横浜に集まったコリンチャンスサポーターを含めて、
【目の前の1対1に負けないこと】を重視していました
1対1の積み重ねが、11対11になる感覚に移りました
U-14年代で、違う国のチームでしたが、
選手の意識は、近いのではないかな?と思います
審判へ詰め寄りファールを主張し、
カードを引き出すためにオーバーアクションするという
プロの試合で観るシーンもありました
褒められたことか?は分かりませんが、
選手の意識・文化の中で、それが当たり前になっているようです
大人しいと言われる日本人の自分には考えられないプレーでした
【一人の人間として、周りへ思うことを主張する】という海外の文化を、
目の前のサッカーで観ることができ、新鮮でした
ただ日本人の良さを感じたシーンがありました
FC東京 vs ジャカルタは、補助競技場だったため、
ピッチサイドで観戦しました
この距離で、柵もないため、
アウトしたボールが飛んできます
たまたま自分の所へ転がってきたので、
FC東京の選手へ返しました
そこで「ありがとうございます」が返ってきました
何気ないことですが、
試合中に「ありがとうございます」が言えるのは、
人間としてスゴイと思います
個人戦術の特色は
この大会を通じて、
日本の選手の方が、ルックアップ・ルックアラウンドへの意識が強いと感じます
少年サッカーから言われ続けることなので、
日本の選手は、全員意識していて、
ボールがなくても首を振って周りを見ています
対して海外の選手は、首を振ることが少ないように感じました
周りの状況を確認して、判断することは、
世界でも同じだと思うのですが、
【首を振って】確認する回数が少ない気がしました
周辺視野で確認しているのか?
少しの情報でイメージを働かせているのか?
相手の雰囲気は直感で感じるのか?
日本の選手とは違った感覚だと思います
そのため次のプレーが読みにくいです
日本に住んでいて、日本サッカーに慣れているせいかもしれませんが、
日本の選手は、次のプレーが予想の範囲内です
どこを見てプレーを選択しているか?が、ある程度分かるので、
その範囲内で、ボールや人が動きます
確実なプレーが選ばれる傾向もあるので、
大人のサッカーを観ていると、予想がつきやすいです
対して海外の選手は、予想外のプレーが多いです
ボールや体の流れの逆を取ったり、
リスクのある積極的なプレーだったり、
つい「おっ!」と言ってしまうプレーを選択します
特にゴール前で意識の違いを感じました
海外の選手は、まずゴール=シュートを目指しますが、
日本の選手は、確実なプレー=パスが多かった気がします
多少確率が低くても、シュートを選択する選手が少なく、
ゴール前で詰まってしまうシーンが印象に残りました
これは1つのチームだけでなく、
共通した課題だと思います
たまたま最終日は2試合ともPK戦になり、
日本のチームが負けてしまいました
PKでも、ベルリン、ボカの選手はコースが読めないです
真ん中に蹴る選手は少なかった印象ですが、
自分の間合いで、自信を持って蹴るせいか?
どちらに蹴るのか?分からないです
決勝のFC東京のGKが、シュートと同じ方向に反応できたのは、
たったの1/5でした
上から観ている自分も蹴るコースを予想しますが、
同じくらいの確率でしか当たりません
また【試合の大局を読む】ことに違いがあります
日本のチームは、常に同じテンションでサッカーができますが、
海外のチームはメリハリ?ムラ?があります
流れが悪ければ、耐えて、
チャンスだと思えば、前に出てきます
なので流れを引き寄せるのが上手いです
個人的にボランチに注目してサッカーを観るので、
ポジションを離れることを嫌がらずにボールに絡む欧米のボランチは、
流れを読むのが上手いと驚きました
逆を言うと、日本のボランチは、
バランスを保って、試合の流れを作るのが上手いです
確実なプレーが多いので、
ボールロストせずに、攻撃を組み立てられます
バランスを取れるので、カバーリングがスムーズです
「ここぞ!」でボールやゴールへ行けたら、
間違いなく世界のトップランナーになれます
サッカー文化の違いが大きいと思いますが、
プレー選択、プレーの幅に特色があります
チーム戦術の特色は
育成年代だからか?サッカー文化の違いだからか?
海外のチームは、特別なことをしない印象です
優勝したボカも、縦へ蹴って、前の選手の能力でなんとかする攻撃です
日本のチームの方が、戦術的なサッカーで、
攻守で数的優位を作ることを強く意識しています
トップの位置に違いがあるように感じます
日本のトップは、中盤に下りて、
攻撃ではゲームメイクに協力し、
守備では相手ボランチをケアします
そこで数的優位を作る狙いが多かったです
対して海外のトップは、あまり下がってこないです
裏を狙うプレーだったり、足下で受けるプレーはあっても、
中盤に下がるプレーは数えるほどです
守備でも献身的に走る選手は少なく映りました
前述のように、1対1の積み重ねが11対11という感じなので、
数的優位を作る考えが薄いのかもしれません
プロになると、そんな意識は薄れるのかもしれませんが、
少なくともU-14の年代では、目の前の1対1を頑張るサッカーです
特にボカに対する、パリの守り方が面白かったです
ボカは3トップで戦っていましたが、
パリは3バックでスタートしました
日本的な考えをすると、3トップに対して、
WBを下げて、5バックで守ると思います
しかいパリは3バックのままで、
広いスペースでの1対1を選択しました
ディフェンダーは、かなりキツイですし、
何度もチャンスを作られましたが、
3バックを変えずに戦い続けました
戦術として、いい悪いは分かりませんが、
普段のサッカー観戦では観ないシーンでした
また、これは感覚的なことですが、
ボールの奪い方に違いがある気がします
日本のチームは、ボールホルダーを囲むことで、
パスミスを誘ってボール奪います
対して海外のチームは、ボールホルダーからボールを奪います
1対1の考えの延長線上にあることですが、
コンタクトの多さ、強さに影響しています
日本のチームの方が、戦術的ですが、
育成年代だから…というサッカー文化の違いだと思います
ひょんなことからスタートした短期の無料サッカー講習でしたが、
世界との特色の違いを見られて面白かったです
普段は文字でしか仕入れられない海外サッカーを、
目の前で観ることで、鮮明な記憶になりました
自分で観るから感じる特色もあり、
今後のサッカー観戦に活かせると思います
来年もあるのか?分かりませんが、
同じような機会があれば、参戦したいです
yas-miki
サッカー観戦の参考に
【読書】 サッカースカウティングレポート ~超一流のゲーム分析~
スタジアム紹介の記事のまとめは、こちら
(1都3県のJFL以上は網羅してます)