スタジアム紹介記事
【読書】 平畠啓史Jリーグ54クラブ巡礼

 

 

90分間だけがサッカーだなんてもったいない

 

この言葉から始まります。

スタジアムでのサッカー観戦を趣味とする自分の気持ちを120%表現しています。

 

自分もいくつかのスタジアム紹介記事を書いていますが、一番伝えたいのは、ピッチの外も楽しいということです。

 

次の週末はどこのスタジアムに行こうか?と計画を練りたくなる本に出逢いました。

 

サッカー観戦の経験を売るJリーグ

 

明確に、いつから?とは言えませんが、Jリーグはイベントやグルメといった『ピッチ外のこと』に力を入るようになりました。

Jリーグ公式のメディアでも、『ピッチ外のこと』を売り込んでいるように感じます。

 

少し思い出話をすると、学生時代は万博競技場で行われるガンバ大阪の試合でアルバイトをしていました。

場外に『美味G横丁』と名付けた屋台村を作ったのは、2006年頃だった記憶があります。

電源確保のために、電源ドラムを持って走ったのは、いい思い出です。

 

近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併が、メディアでも大きく取り上げられ、「プロ野球はだれのもの?」という議論が起こった後だと思います。

 

プロスポーツの本場の取り組みを導入し、進化させる人が増えてきたという理由もあるかと思います。

しかし野球やサッカーといった競技の枠を超えて、「プロスポーツとは?」という問いに対する答えなのかな?と感じました。

 

そんな頃に読んだ本の一節を紹介します。

 

アメリカでスポーツビジネスに携わっている人にどんな商売をしているのかと尋ねると、誰もが口を揃えてこう答える、「試合観戦日の経験(game-day experience)を売る商売だ」と。

 

 

経験を売るという考えは、いくつかの本でも目にします。

 

それは、”スタジアム観戦に付加価値をつける”ことだ。メインディッシュは試合であることは間違いない。ただ、料理と試合が大きく違うのは、メインディッシュが、”すごく美味しくなるときもあれば、もう二度と食べたくないと思うこともある”ということだ。(~中略~)リーグのほとんどのクラブが勝ったり負けたりであり、下位のクラブは”美味しくない”メインディッシュをお客様に提供し続けなければならない

 

 

必ずしも試合が面白くなる保証はないので、『ピッチの外のこと』も充実させ、お客さんの満足度を上げるという文脈が多いです。

 

近年は音楽フェスの盛り上がりを紹介し、『モノ』消費から『コト』消費へ消費スタイルが変わったという記事も目にします。

スタジアムで経験できる『コト』を増やして、社会の流れにサッカー界も対応するという側面もあると思います。

 

あるシンポジウムでの、Bリーグの大河チェアマンが語った言葉が印象に残りました。

「試合当日に会場で過ごす時間が増える取り組みをしている」とのことです。

 

Jリーグとして、サッカー観戦をする「より良い」1日の経験を、チケットとして売る方向に進んでいます。

その「より良い」1日の伝道師として著者の平畠さんに白羽の矢が立ったと想像しています。

 

Jリーグ全クラブが平等なガイドブック

 

この本が、間違いなく優れている点は、全てのクラブを平等に扱っていることです。

本の構成は、各クラブが4ページに渡って紹介されています。

 

初めの見開き2ページで、クラブやスタジアム、ホームタウンの魅力を、旅行ガイドブックのように分かりやすく掲載されています

カラー刷りで写真が多いので、雰囲気が伝わります。

 

次の2ページは、クラブにまつわる平畠さんのコラム(思い出話、こぼれ話)です。

文字数以上に愛が詰まっていています。

白黒ページなこともあり、紀行文を読んでいる感じがあります

 

取材等を通じて、実際にスタジアムへ行かないと分からない情報ばかりです。

これを全クラブ対象にできるのはスゴイの一言です。

 

旅行のガイドブックを読むと、有名な観光地に重きが置かれるのは当たり前のことです。

実際、多くの人は、有名な場所の情報を求めてますし…

 

同じ理論だと、有名なクラブに重きが置かれ、ページ数や情報が多くなります。

そうではなく全クラブが同じ比重なのは、それぞれのクラブのサポーターとして、ありがたいです

 

自分が参戦経験のあるスタジアムは、まだまだ多くないです。

しかし観戦経験のあるスタジアム紹介を読むと、「あ~そこだよね~」と共感できるポイント多くて楽しいです

 

シーズンシートを持っていて何度も参戦しているジェフ千葉のパートを読むと、(上から目線な言葉で申し訳ないですが…)「そう、そこを見て欲しかった!」と楽しくなります。

自分も観に行った試合が取り上げられると、「あ~自分も行ったな~」と懐かしくなります。

 

ということは行ったことがない街・スタジアムには、紹介されているポイント以上の魅力があるのだと思います。

 

Jリーグを通じて日本を好きになる

 

自分は東京に住んでいます。

そのため「次の週末は…」と考えると、首都圏のスタジアムを思い浮かべます。

 

少し長期的な視点だと、「今シーズンはどこにいくか?」という考えになります。

Jリーグ観戦+観光という旅行を計画します。

 

学生の頃は、あまり魅力を感じなかった「観光」という面ですが、社会人になり、見方が変わってきました。

 

地方出張のチャンスを頂いたり、色々なバックボーンの方に出会ったりしました。

日本各地について、何かしらの話題を持っておくことが大事だと感じました。

 

やっぱり地域の話は、その人にとって思いが詰まっていると考えて、間違いありません。

 

 

これは少し極端な例ですが、大人として大事なのかなと思いました。

 

ありがたいことに、Jリーグのクラブは増え、空白県は少なくなっています。

Jリーグを通じて、日本各地を知るチャンスは増えています。

 

少し話を変えると、AKB48にチーム8というアイドルグループがあります。

47都道府県に1人ずつメンバーがいるコンセプトです。

 

日本各地でチーム8のコンサートが開催され、そのいくつかに参加したことがあります。

Jリーグの遠征に近い経験で、コンサート+観光という旅行になります。

 

Jリーグにしろ、アイドルにしろ、試合(コンサート)がなければ、一生行く機会がなかったかもしれない土地に行き、現地を感じる経験をしました。

 

自分の少ない経験でも、日本各地に良さがあると思います。

日本各地の良さを知ることで、日本という国が好きになっている気がします

 

東京一極集中という問題提起がされる昨今で、Jリーグは地方の魅力に気付けるいい機会です

 

少し話が大きくなりましたが、地方の魅力を感じる旅行のガイドブックの1つです。

サッカー好きなら、手元に置いておきたい本にめぐり逢いました。

 

yas-miki@yas-miki

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